
国立西洋美術館 研究員 新藤淳(しんふじ・あつし)
東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。その後、国立西洋美術館研究員に。専門はドイツ・ルネサンス美術。企画展(共同キュレーション含む)に「フェルディナント・ホドラー展」(2014年)「No Museum, NoLife?―これからの美術館事典」(2015年)などがある。共著に『版画の写像学』(ありな書房)など
東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。その後、国立西洋美術館研究員に。専門はドイツ・ルネサンス美術。企画展(共同キュレーション含む)に「フェルディナント・ホドラー展」(2014年)「No Museum, NoLife?―これからの美術館事典」(2015年)などがある。共著に『版画の写像学』(ありな書房)など
日本初のクラーナハ展
今秋から来春まで、東京の国立西洋美術館と大阪の国立国際美術館で開催される「クラーナハ展―500年後の誘惑」は、この画家の芸術に捧げられる、日本初の展覧会となる。ウィーン美術史美術館を始め、ヨーロッパ、アメリカ、アジアの数多くの美術館や個人のコレクションから、クラーナハの作品が日本に集結する。
また、近現代のアーティストたちによるクラーナハの絵画の模倣や追創造の例を併せて展示することで、展覧会に多様な伴奏を加える。
共同企画のパートナーであるウィーン美術史美術館は、中世以来、数百年をかけてハプスブルク家が築いてきたコレクションを収めるヨーロッパを代表するミュージアムの一つである。クラーナハも、ハプスブルク家の皇帝たちと密接な関係を持っていた。今日のウィーン美術史美術館に、この画家の絵画がたくさん所蔵されているのは、だから何の偶然でもない。その美術館の「顔」の一つにして、クラーナハの芸術のアイコンでもある《ホロフェルネスの首を持つユディト》も、3年におよぶ修復作業を経て来日する。そのユディトは、とても醒めた表情で、きっと私たちを誘うだろう。おそらく二度とはないこの機会に、クラーナハの絵の誘惑を、ぜひ体感してみていただきたい。
また、近現代のアーティストたちによるクラーナハの絵画の模倣や追創造の例を併せて展示することで、展覧会に多様な伴奏を加える。
共同企画のパートナーであるウィーン美術史美術館は、中世以来、数百年をかけてハプスブルク家が築いてきたコレクションを収めるヨーロッパを代表するミュージアムの一つである。クラーナハも、ハプスブルク家の皇帝たちと密接な関係を持っていた。今日のウィーン美術史美術館に、この画家の絵画がたくさん所蔵されているのは、だから何の偶然でもない。その美術館の「顔」の一つにして、クラーナハの芸術のアイコンでもある《ホロフェルネスの首を持つユディト》も、3年におよぶ修復作業を経て来日する。そのユディトは、とても醒めた表情で、きっと私たちを誘うだろう。おそらく二度とはないこの機会に、クラーナハの絵の誘惑を、ぜひ体感してみていただきたい。