
(左)サルバドール・ダリ《奇妙なものたち》1935年ごろ ガラ=サルバドール・ダリ財団蔵 Collection of the Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres
ⒸSalvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan,2016
(右)ⒸX. Miserachs/Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres,2016.Image Rights of Salvador Dalí reserved. Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres, 2016.
ⒸSalvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan,2016
(右)ⒸX. Miserachs/Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres,2016.Image Rights of Salvador Dalí reserved. Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres, 2016.

ダリの憂鬱
Photo TONY TANIUCHI
Text Junko Chiba
Text Junko Chiba
熱夏の名残をとどめた秋雲に乗って、ダリが東京・国立新美術館へやってくる。
「20世紀を代表する芸術家」とされるスペイン生まれのサルバドール・ダリは、84年の生涯を通じて、常に「変容」を続けながら“ダリ的世界”を拡張させてきた。
今回の「ダリ展」は、その特異な創作活動の全容を網羅した過去最大規模のもの。
絵画・彫刻のほか、ジュエリー、舞台装置や衣装のデザイン、著作など展示は多彩。
ダリが無意識や原子などの「目に見えないもの」に対する思考に傾倒する中で、心の奥深くに沈潜するどんな思いを作品に発露させてきたのかを浮き彫りにする。
それは言い換えれば、曖昧模糊とした「目に見える世界」に対する憂鬱の爆発――。
国立新美術館副館長の南雄介氏の解説とともに、ダリの足跡をたどる。
「20世紀を代表する芸術家」とされるスペイン生まれのサルバドール・ダリは、84年の生涯を通じて、常に「変容」を続けながら“ダリ的世界”を拡張させてきた。
今回の「ダリ展」は、その特異な創作活動の全容を網羅した過去最大規模のもの。
絵画・彫刻のほか、ジュエリー、舞台装置や衣装のデザイン、著作など展示は多彩。
ダリが無意識や原子などの「目に見えないもの」に対する思考に傾倒する中で、心の奥深くに沈潜するどんな思いを作品に発露させてきたのかを浮き彫りにする。
それは言い換えれば、曖昧模糊とした「目に見える世界」に対する憂鬱の爆発――。
国立新美術館副館長の南雄介氏の解説とともに、ダリの足跡をたどる。
20世紀美術を代表する芸術家として幅広い世代に人気が高いサルバドール・ダリ。
日本では約10年ぶり、過去最大級の「ダリ展」が開催される。
ガラ=サルバドール・ダリ財団、サルバドール・ダリ美術館、国立ソフィア王妃芸術センターの
三つの世界的なダリ・コレクションが一堂に会す初めての機会。
ダリの初期から晩年までの創作の全容を約250点もの作品や資料で網羅的に紹介する。
会期:9月14日(水)~12月12日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E(東京・六本木)
ダリ展 salvador-dali.jp
1904年に生まれたダリは、日本で言うなら明治、大正、昭和という三つの時代を駆け抜けた芸術家だ。そして年号が平成に変わった89年、あたかも次代に命の火をつなぐかのように没した。常にその時代の前衛画家であったダリは、現代アートにつながる多くの試みを残し、今も前衛画家であり続けている。