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GREAT IMAGINATION 脳内妖怪ホルモン(2)
Text Junko Chiba
江戸時代に大増殖
江戸時代に入ると、妖怪はさらに種類が増え、活躍の場を広げていく。諸国を結ぶ街道が整備されたことに加えて、版本が流布したことによって、列島を揺るがすような大躍進を遂げたのである。トピックは三つ。
 一つは、各地に伝わる妖怪たちが図鑑化されたことだ。とりわけ鳥山石燕(とりやませきえん)による版本「画図百鬼夜行」は、「これぞ妖怪図鑑!」とひざを打ちたくなるような名品である。幽谷響(やまびこ)や鎌鼬(かまいたち)など、自然現象まで妖怪化されている。他に30種類ほどの妖怪を肉筆で描いた「百怪図巻」、全国で見つかった珍幻獣をまとめた「姫国山海録(きこくせんがいろく)」などが編纂(へんさん)された。安村氏によると「図鑑が流通すると、目撃談が次々と出てきて、噂(うわさ)が噂を呼んで、どんどん種類が増えた」という。
(左)喜多川歌麿「化物の夢」大判錦絵 1789-1801年(寛政末ごろ)/国立歴史民俗博物館蔵 ※東京会場8月16日~28日、大阪会場10月25日~11月6日展示
(右)月岡芳年「新形三十六怪撰 おもゐつつら」大判錦絵 1889~92( 明治22~25)年ごろ/国立歴史民俗博物館蔵 ※東京会場7月5日~18日、大阪会場9月10日~25日展示
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