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長いコック帽に憧れて

 北海道・函館に生まれた菊地は、幼い頃から食べることが大好き。食料品店を営む両親が忙しかったこと
もあり、店先からウインナーを持ってきて野菜と炒めたり、卵焼きを巻いたり。「料理を作ることは全然苦ではなかった」そうだ。「高校時代は朝早く起きて、自分でお弁当を作ってました。肉を焼いて、ご飯の上にバンとのせる、みたいな。だから、卒業して大阪・阿倍野の辻調理師専門学校に進んだのは、自然の流れでしたね。フランス料理のコースを選んだのは、先生たちがかぶっている長いコック帽とかが単純にかっこいいなと思ったから。あと、フォアグラっておいしそうだなとか。当時はまだフレンチとイタリアンの違いも分からなければ、食べたこともない。それだけに憧れが強かったように思います」
 卒業後、六本木のフレンチレストラン、オーシザーブルに就職。まさに厳しい修業の世界で、最初の3年
は「アホ、ボケ、スカタン」と怒られてばかり。しかも労働時間は早朝から深夜に及ぶ。「世の中で一番不幸なのは僕だ」とさえ思ったという。「でも半年、1年と経つうちに、少しずつ要領が良くなったのかな、仕事が面白くなってきて。それと、オーナーがワインの好きな方だったおかげで、ワインの世界にちょっと足を踏み入れることができた。幸運でしたね。
 実はそれまで、ドイツワインくらいしか知らなかったんです、僕。『へぇ、フランス料理を食べる時はフ
ランスワインを飲むんだ』って感じで。そこから値段の高いワインに憧れるようになったんです。お客さま
がグラスにちょびっと残した高級ワインを飲ませてもらって感動したことを覚えています」
(上)リードボーのソテー セップ茸のブルーテソース 
パルメザンの泡添え
表面はカリカリ、肉はふっくら・まったり。リードボー(子牛の胸腺)のうまみと食感が、セップ茸のソース、ホウレン草、マッシュルームのデュクセル、そしてパルメザン、鶏のだし、レシチンの泡によって、いっそう引き立つ逸品だ。

(下)リエブル・ア・ラ・ロワイヤル
フォアグラを千葉の銚子でとれた野ウサギの真っ赤な肉のミンチでくるみ、3時間ほどゆっくり煮込んだ料理。その煮汁に豚の血を少し入れたソースとともに。同じ肉にフォアグラをさらに足してキャベツで巻き、パイ包みした料理も絶品!
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