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歌川国芳
「国芳もやう正札附現金男 野晒悟助」(部分)
弘化2(1845)年頃
William Sturgis Bigelow Collection, 11.28900
Photograph ⓒ 2015 Museum of Fine Arts, Boston
国芳と国貞、その時代
Text Nile's NILE
幕末に活躍した浮世絵師、歌川国芳と歌川国貞。ほぼ同じ時代に生き、同じ歌川派に属した絵師であるが、「武者絵」の国芳、「役者絵・美人画」の国貞と言われるように、二人の画風にはそれぞれの特長が際立つ。彼らは当時の時代のニーズや流行をどのようにとらえ、自身の作品に表現していったのか。多くの人々を魅了し、人気絵師としての座を確立していった両絵師の作品に迫る。
【国芳】(左)
 歌川国芳(1797~1861)は現代のクリエイタ―も刺激する天才肌。道に転がる髑髏(シャレコウベ)は、命をかけて守る価値観(こころいき)のエンブレム。猫たち寄り集まって髑髏となる国芳デザインの着物も粋なシンボル。江戸の「俺たち」の心を揺さぶった国芳こだわりのアイテムに迫る。

 【国貞】(右)
 歌川国貞(1786~1864)は女子の支持率No.1、モードにこだわる人気絵師。今どきのヘアスタイル、萌えるかんざし(アクセサリー)のセンス、エレガンス極まるメイク。国貞描くキラキラと輝く女性の美は、細やかな小道具の描写もあいまって、江戸の「わたし」がみがきをかけて、自らの生き方を演出する力となる。チャキチャキした江戸女子の心憎いばかりの一挙手一投足まで注目だ。
歌川国貞 
「当世三十弐相 よくうれ相」( 部分)
文政4,5(1821,22)年頃
Nellie Parney Carter Collection ― Bequest of
Nellie Parney Carter, 34.489
Photograph ⓒ 2015 Museum of Fine Arts, Boston
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