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1.芝海老は小さいが包丁で背を開いて丁寧にワタを取る。
2.芝海老に卵白と片栗粉を入れて臭みを取る。その後、氷水でよく洗う。
3.軽く叩いた芝海老と空豆、卵(黄身)、片栗粉、塩を入れてしんじょにする。
4.スッポンは養殖技術が進み、周年使える食材。四季折々の味を楽しめる。
5.山ウドを切って塩でもむ。銅鍋で湯がき、氷水にさらしてあくを取る。
6.さばいたスッポンは酒としょうゆでしっかり下味を付けておく。
 海老類の中で、一番甘みが強く旨いのは、やはり車海老だろう。
 湯がいてよし、てんぷらにしてもよし、炒めてもよし、日本人の大好物だし、私も“車海老信奉者"の一人である。
 しかし最近、この車海老信仰が自分の中で、やや揺らぎ始めている。きっかけは、上海料理の名品“龍井蝦仁"(ロンジンシャーレン)を知ったことによる。
 この料理は、中国杭州の緑茶である龍井茶の新芽と、川海老を一緒に炒めた定番のものなのだが、日本では川海老の代わりに、芝海老を使うことが多い。
 これがとにかく旨いのだ。
 旨いだけではなく、飽きないところがスゴイと感じる。普通、車海老だと、3匹ないしは5匹も食べれば十分満足してしまうのに、芝海老はどこか頼りない味ゆえか、その“ぷきぷき"した独特の歯触りゆえか、気が付けば、10匹もあっという間に平らげてしまう。
 そして、また日を置かずして、食べたいと思わせる“何か"を持っているのだ。
 旨いものは旨い。
 ただ、旨過ぎると“位"が少し低くなるのではないだろうか。
 後を引き、また食べたいと思わせる“淡"の力を、やはりしみじみと思い知らされるのだ。

元麻布「かんだ」
東京都港区元麻布3-6-34 カーム元麻布1F  TEL03-5786-0150
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