一方、株価の行方と切っても切れない関係にあるドル/円相場は 2 月初旬以降、完全な膠こう着ちゃく状態に陥っている。そうしている間にもドル/円の 200 日線はジワリとその水準を切り上げてきており、執筆時にはすでに101円台にまでせり上がってきている。
この 200 日線は過去に幾度もドル/円の下値を支える役割を果たしており、今後も強い下値サポート役として機能することが期待されるが、仮にドル円が 200 日線を下抜けるような格好となれば、それはドル/円の強気相場が本格的にスタートした 12 年秋以来のこととなり、言わば一大事である。
もちろん、現在目の当たりにしている「円安・株高の逆流」は適当かつ必要な調整であると、今のところは考えていいだろう。その意味では、日経平均株価もドル/円ももう一段の下げ余地があるものと見ておく必要がある。しかし、いずれはテクニカルな底入れのタイミングも訪れるはずであり、その後に大きく反発となるのかどうかは、一つにやはり政府の大胆な規制緩和・構造改革の舵かじ取り次第ということになる。そのときに、まさか「年金積立金が買うから上がる」などと間の抜けたことは口走らないでいただきたい。
安倍首相が「新成長戦略」をまとめるとしている期限は 6 月であり、もはやタイムリミットは迫っている。4 月下旬に日本で行われた日米間のTPP(環太平洋経済連携協定)交渉を見ても、既得権益の岩盤が相当に強固であることは言うまでもない。果たしてアベノミクス相場の「第2幕」はスタートできるのか、要注目である。
この 200 日線は過去に幾度もドル/円の下値を支える役割を果たしており、今後も強い下値サポート役として機能することが期待されるが、仮にドル円が 200 日線を下抜けるような格好となれば、それはドル/円の強気相場が本格的にスタートした 12 年秋以来のこととなり、言わば一大事である。
もちろん、現在目の当たりにしている「円安・株高の逆流」は適当かつ必要な調整であると、今のところは考えていいだろう。その意味では、日経平均株価もドル/円ももう一段の下げ余地があるものと見ておく必要がある。しかし、いずれはテクニカルな底入れのタイミングも訪れるはずであり、その後に大きく反発となるのかどうかは、一つにやはり政府の大胆な規制緩和・構造改革の舵かじ取り次第ということになる。そのときに、まさか「年金積立金が買うから上がる」などと間の抜けたことは口走らないでいただきたい。
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(左)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。www.e-minamiaoyama.com
(右)THIS MONTH RECOMMEND
あまり表に出ない問題の本質に迫る!
主に 4 人の有識者との対談で構成される本書は、何よりその人選が秀逸。普段、あまりメディアに登場しない人たちであるという点が重要な鍵を握る。その対談の内容は、多くの読者が目からうろこが落ちる思いを抱くはずだ。消費税増税、環太平洋経済連携協定(TPP)、特定秘密保護法、靖国問題など、旬のトピックの背後に潜む「あなたの知らない」カラクリ、日本経済が抱える問題の本質をここまで鋭くえぐり出した良書は少ない。
『あなたの知らない日本経済のカラクリ』(岩本沙弓著/自由国民社/ 1,728 円)
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