全国各地に伝でん播ぱ して行った京料理と共に、これらの〈京〉モノも伝わって行く。だが当然ながら、真の〈京〉ものは数量的にも、季節的にも限られている。かくして〈京〉の紛い物が横行し、青ネギを九条葱と言い換える、今回の騒動に繋がったのだ。
九条葱に比べて、青ネギが品質として劣ることなどないのだが、九条葱と記せば客が喜ぶ。価格も上乗せ出来るやもしれぬ。そう店側が考える土壌が出来てしまっていた。葱は葱、でいいではないか。客から問われれば、産地を明らかにすることは当然だろうが、端はなからそれを謳う必要などないはずなのだが。
地方の割烹などで、春先にもかかわらず〈賀茂茄子の田楽〉などが品書きに載っていることがある。意図してか、無知のせいか、ただの丸茄子を賀茂茄子と言い換えたのだろう。京の伝統野菜である賀茂茄子は、初夏から初秋の間にしか収穫されないことは、京都人なら知っているが、それを知らない人は、京の名産が食べられると思って喜ぶ。
肉料理、あるいは魚料理というメニュー名だけでは納得出来ないというなら、客側もある程度の知識は持たねばならない。
車海老、芝海老、ブラックタイガー、バナメイエビ。これら品種の特性、適した料理法、おおよその価格を知った上で料理店に足を運べば、惑わされることなどない筈だ。
九条葱に比べて、青ネギが品質として劣ることなどないのだが、九条葱と記せば客が喜ぶ。価格も上乗せ出来るやもしれぬ。そう店側が考える土壌が出来てしまっていた。葱は葱、でいいではないか。客から問われれば、産地を明らかにすることは当然だろうが、端はなからそれを謳う必要などないはずなのだが。
地方の割烹などで、春先にもかかわらず〈賀茂茄子の田楽〉などが品書きに載っていることがある。意図してか、無知のせいか、ただの丸茄子を賀茂茄子と言い換えたのだろう。京の伝統野菜である賀茂茄子は、初夏から初秋の間にしか収穫されないことは、京都人なら知っているが、それを知らない人は、京の名産が食べられると思って喜ぶ。
肉料理、あるいは魚料理というメニュー名だけでは納得出来ないというなら、客側もある程度の知識は持たねばならない。
車海老、芝海老、ブラックタイガー、バナメイエビ。これら品種の特性、適した料理法、おおよその価格を知った上で料理店に足を運べば、惑わされることなどない筈だ。

