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 食を目当てにして旅をすることはほとんどないが、鮨だけは別。いい鮨屋があると聞けば、すぐに旅支度をする。今夏訪れた宮崎の「一いっ心しん鮨ずし光こう洋よう」などは、この店のためだけに飛行機に乗たくらい。だがその甲か斐いあって、東京では決して味わえない、広い屋敷の中のカウンターで、宮崎らしい江戸前鮨に、何度も舌鼓を打ち、明日地球が滅亡してもいいと思った。
 鮨を食べることは愉しい。鮨を語ることも愉しい。通ぶる必要などない。客は美お 味いしいとだけ伝え
、後は主人の言葉に耳を傾ければいい。それは鮨屋のみならず、例えば京都でも同じ。次はその京都の話をしよう。
かしわい・ひさし
1952年京都市生まれ。京都市北区で歯科医院を開業する傍ら、京都関連の本や旅行エッセイなどを数多く執筆。2008年に柏木圭一郎の名で作家デビュー。京都を舞台にしたミステリー『名探偵・星井裕の事件簿』シリーズ(双葉文庫)はテレビドラマにもなり好評刊行中。『京都紫野 菓匠の殺人』(小学館文庫)、『おひとり京都の愉しみ』(光文社新書)など著書多数。
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