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次いで、今年(14年)2月に上場したのが「ヒューリックリート投資法人」。同銘柄は当初、オフィスビル8棟、商業施設4棟に加えて有料老人ホーム4棟、ネットワークセンターを含むインフラ施設5棟を取得して運用を開始した。この時点で、有料老人ホームを含むシニア住宅への投資はREITの資産規模全体のわずか0.2%という状況であり、今後急成長が見込まれる産業分野だけに、今後の発展が大いに期待されるところと言える。
 日本政府は昨年6月、介護・医療施設専門のREIT(ヘルスケアREIT)のガイドラインを整備する方針を打ち出し、これまでに上場を可能とするための認可基準設定など、必要なルールの策定に取り組んできた。そんな折、今年3月下旬に大和証券グループ傘下の大和リアル・エステート・アセット・マネジメントが、有料老人ホームなどに投資する「日本ヘルスケア投資法人」の運用を開始したと発表。ヘルスケアに特化したREITの運用は日本初のこととなる。今後、投資実績を積み上げ、今年の秋以降に東京証券取引所への上場を目指す。他に、三井住友銀行や新生銀行などもヘルスケア特化型REITの運用、上場に向けた準備を進めている模様だ。
 以前から、ヘルスケア特化型のREITは米国やカナダ、英国など一部の国で運用されてきたが、ここにきてニュージーランドやシンガポールにも広がりを見せており、世界全体の市場規模もみるみる拡大してきている。一般に、株式市場においてヘルスケア関連銘柄の株価は景気の変動を受けにくいと言われる。そして、世界のREIT市場を概観すると、ヘルスケア特化型REITにも同様の特徴が見られるというデータが確認できる。今後ますます多様化が進むことで、REIT市場全体への注目度も一層高まることとなろう。
(左)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。 www.e-minamiaoyama.com

(右)THIS MONTH RECOMMEND
決して思考停止に陥ってはならない!
ユニークな発想と筆致、独特の比喩表現が読み手を引き込む。果たして、日本の「失われた20年」は政府の無策、日銀の無力によるものなのか。そうであるならば、政府や日銀が変わればすべては丸く収まる。しかし、世の権力者たちは決して超人(=スーパーマン)ではない。結局は、国民一人ひとりが主体的に思考し、参加・団結して復活を目指すことが必要と説く。(北野一著著/講談社/1,512円)
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