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1.ミズナラの周りに出る舞茸。何より香りを楽しみたい秋の食材。
2.鶏肉は油をひかずに皮を下にして焼く。上から小鍋で押さえてパリパリに。
3.鶏肉の脂がたくさん出るので、その脂で舞茸、小松菜も一緒に焼く。
4.産地によっては、秋9月~11月に旬を迎える毛蟹。
5.毛蟹は身をほぐして、卵黄にサラダ油を少しずつ加え混ぜた玉素(たまもと)で和える。
6.和えた蟹の身をまとめて蒸す。椀に蟹を盛り三つ葉を散らした出汁を張る。
自分自身の概念を一度忘れて、初心で素材に向き合い直すことができなければ、進化し続けることはかなわないと思う。
 椀種は季節によって変えるが、毎年そのレシピを見直すことを自分に課している。もちろん前年も見直しを経てベストの仕上がりにしたという思いはあるのだが……。
 椀種が常に魚介類や野菜であるというのも一つの思い込みだろう。
 現に、桃山時代の織田信長公の膳には、“鶴"の身を使った椀物の記録もあるし、加賀の“治部煮"は鴨の身を煮たものを椀種として活用している。これまで、自分自身の思い込みで一番強かったのは、「椀種のしんじょのベースは“鱧のすり身が一番うまい"」という考えだったかもしれない。これは長年掛けて30代にたどり着いた結論であったし、何よりお客様に好評だったので、全く見直しの対象ではなかったのだが、ふとある日思い直した。
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