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1. 今シーズン最後、11月にも松茸を楽しむ。この時期は岩手など東北の松茸がいい。
2. 夏がうまいといわれる魚は、ほかの季節もおいしい。秋に脂が乗る寒ハモもそうだ。
3. 骨切りした鱧にハケで葛を付ける。身の間にまで葛が入り込むようにするのがポイント。
4. 葛を付けた鱧を湯がく。穴の空いたお玉で沸騰した湯に沈め、数秒で引き上げる。
5. クエは冬の食材。同じく冬が旬の白菜、柚子(ゆず)を合わせる。
6. クエをさばいて、切り身に。クエ、白菜、柚子をまとめて酒蒸しにする。
日本での参加は昨年からで、小学校の一クラス約40 名の生徒さんに、かつお節と昆布の出汁の取り方を教えた。
 恐らく、子供たちの中には「日本料理の先生のお出汁の授業より、フランス料理の先生が隣のクラスで教えているオムレツとかのほうが楽しそう」と思っていた子がたくさんいたと思われるが、本物の本枯かつお節を味わった途端、「家のと全然違う」「生臭くない」と騒ぎ始め、その後、ひきたての一番出汁を味わうと、「今までの人生で食べたものの中で一番おいしかった」と言ってくれた子までいた(確かこの子は10歳だったが……)。
 心からハンバーグや鶏の空揚げよりおいしいと思ってくれたかどうかはともかく、日本人のDNAの中には、澄んだ美しい味わいの一番出汁を本能的においしいと思える感性があるのだ、と確信できた私にとっても、忘れられない一日となったのである。
 フランスには「プルーストのマドレーヌ」の例えがあるが、ご存じだろうか。
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