
4代にわたって松江で醤油と酢を造り続ける「松島屋」。昔ながらの醤油と米酢のほか、島根県産のバラ花弁を漬け込んだデザートビネガー「エグル・ドゥ・ロゼ」も人気が高い。
●松島屋 島根県松江市栄町15-1 TEL0852-21-4527 matsushimaya.jp
●松島屋 島根県松江市栄町15-1 TEL0852-21-4527 matsushimaya.jp
もう一つの松江の味
抹茶と和菓子のほかにも、松江の人々に愛されている味があった。1935(昭和10)年創業、松島屋の醤油と酢だ。
醤油は、その土地の食文化や風土に合わせて成熟されていくもの。松島屋では、松江の自然に育まれた創業以来の蔵付き酵母を用い、熱をかけたり、薬剤によって発酵を促したりすることなく、この地の季節や気温に任せ、手作業で櫂(かい)入れをして、文字通り醤油を「育てて」いる。松島屋の3代目、井原浩之氏によると、島根の醤油は火に強く、熱しても味や香りが落ちないため、焦がし醤油などにも向いているという。さらに、かけ・つけ醤油には旨うまみが強い再仕込み醤油、煮物には素材の味を尊重した淡口(うすくち)醤油と、用途によって使い分けるのが伝統だ。再仕込み醤油は全国でも約1・0%程度しか生産されていない、いわば松江の特産品。松島屋では、一度仕込んだ醤油を搾り、生醤油でさらに仕込むという二段仕込みで、約2年半の歳月をかけて造り上げる。特有の甘みととろみがある、まさに松江ならではの味。
醤油は、その土地の食文化や風土に合わせて成熟されていくもの。松島屋では、松江の自然に育まれた創業以来の蔵付き酵母を用い、熱をかけたり、薬剤によって発酵を促したりすることなく、この地の季節や気温に任せ、手作業で櫂(かい)入れをして、文字通り醤油を「育てて」いる。松島屋の3代目、井原浩之氏によると、島根の醤油は火に強く、熱しても味や香りが落ちないため、焦がし醤油などにも向いているという。さらに、かけ・つけ醤油には旨うまみが強い再仕込み醤油、煮物には素材の味を尊重した淡口(うすくち)醤油と、用途によって使い分けるのが伝統だ。再仕込み醤油は全国でも約1・0%程度しか生産されていない、いわば松江の特産品。松島屋では、一度仕込んだ醤油を搾り、生醤油でさらに仕込むという二段仕込みで、約2年半の歳月をかけて造り上げる。特有の甘みととろみがある、まさに松江ならではの味。