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左)適温になったカイエをプレス器に移す。
右)圧力をかけて余分な水分を取り除く。
右)内部の熟成状況をチェック。
左)チーズ作りは、長年の経験が生み出す職人の勘に頼る部分が大きい。その伝統的な製法は、熟練職人から若手へと受け継がれている。
職人の経験と勘が作る豊かな味わい
 夏場は高原でフレッシュな草花を食はみ、冬は乾燥草花に加え、ジャガイモ、ニンジン、ビーツなどの飼料を食べて成長する乳牛。各農家で日に2度搾乳され、ミルクはすぐにチーズアトリエに運ばれる。運ばれたミルクは、搾乳から18時間以内に、最大6600ℓが入る巨大な鍋に注がれる。35㎏程度のグリュイエールチーズ一つを作るのに必要なミルクの量は400ℓにも及ぶ。まずはミルクを31~32度に加熱する。そこに凝乳酵素を加えて、カイエと呼ばれる豆腐のようなふるふるした状態なるまで固める。その後、トランシュ・カイエ(カイエ切り)という卵スライサーのような機械でカイエを米粒状になるまでかくはんし、54~59度まで加熱。今この瞬間が最適、というカイエの質感を見極めるのは、長年の経験が生み出す職人の勘だ。どれだけ機械化が進もうとも、肝心な部分はやはり人間が頼りなのだ。
 適温となったチーズの原型は、小さな穴がたくさん開いた円柱型のプラスチックケースに入れ、プレスをかけ余分な水分を抜く。途中何度か上下を返しながら16時間プレスをし
た後、型から外し、塩分20%の塩水に漬けて約24時間。ここでさらに水分が抜け、代わりに塩が内部に浸透し、味わいに深みが加わる。
 そしていよいよ最終段階の熟成。温度12~18度、湿度92%の熟成庫には、エピセアの
木で作った台が何層にも並び、チーズが並べられる。最初の1週間は毎日上下を変えて
塩をすり込む。その後1カ月は週3度、そして5カ月までは週2度、この作業を繰り返す。昔は人力だったが今は機械化され、効率的に作業が進められる。重さ25~40㎏、平均で30
㎏を超えるチーズを返すのは、技術とコツを要す作業だそうだ。グリュイエールチーズの
熟成期間は5カ月以上、通常は12カ月程度を限度に出荷される。花や草、そしてハシバミやクリなどの香りが絶妙に溶け合う味には、実に70種以上のアロマが閉じ込められていて、かみ締めるほどに豊かな味わいが口中に広がる。
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