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(左)銅版画家、舟田潤子氏の作品を飾った、落ち着きの中に華やかさのあるレセプション。
(右)シモンズ製のベッドや上質なリネンで、快適な睡眠と極上のくつろぎを追求している。
京の街に沿う、「選択する」ホテルへ
 確かに、京都のホテルは常に混んでいる。人々は空室のあるホテルを選び、観光ならば、リピートすることは滅多にない。だから、寝る場を提供するだけのようななホテルが増えてしまった、と村田氏は言う。「たとえば、リネン類一つでも、東京のホテルなら、いいものを選ぶのが当然でしょう。しかし、京都のホテルは、“標準的なもの"と考える。個性のあるおもてなしをしなくても、どんどん宿泊客が来てくれるからです」。同じ条件なら、外国人観光客は安心できる外資系ホテルを選ぶ。そして、京都人が手がける、京都人が誇れるホテルがなくなってしまった。「そんなことでは、京都のもてなしとは言えませんよね。だからこそ、私たちはホテル作りの一つひとつにおいて、自分たちで見て、良いと思うものを選びました。この“選択する"ということが、京都の未来を変えるワンステップだと確信しています」。一方で、京都の街に優れた飲食店は数多いため、「近隣エリアも含めてホテル施設」と捉え、界隈の店と協力し、ゲストが京都ならではの名店を満喫できるようにした。今後は、京都駅でチェックインし、荷物をホテルまで運ぶサービスの展開などを検討中。ホテルの数も、年にひとつのペースで増やしていく予定だ。これまでにない、京都人だからこそのもてなしが始まっている。
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