世界の贅沢、NILEの贅沢

（左）The Listener Ⅱ　（中）The Park　（右）The Writer
デンマーク出身のアーティストPeter Martensen（ピーター・マーテンセン）。画家、ビジュアルアーティスト、彫刻家、ミュージシャンとして国内外で活躍。今回の個展では、超現実主義の独特の世界観をオイルペインティングと映像作品で表現する。作品はコペンハーゲン国立美術館やロンドンのヴィクトリア＆アルバート博物館をはじめヨーロッパ有数の美術館のコレクションとして収蔵されている。

見る者の想像力をかき立てるアート

日本で初めて展覧会を行ったアーティストのピーター・マーテンセンは、これまで3回の来日経験を持つ。ただ、個展を開くのは初めて。ニューヨークで行った展示会「パワー オブ サイエンス」とデンマークでの「リカバリー」のコレクションを中心としながら、一部“日本"を意識してセレクトしたという。
「ずっと人物をテーマに絵を描き続けています。ここ数年は、特定の人物ではなく、“人"を描く試みを続けています。中でも白いシャツや白衣を着た男性が多いですね。これは特定ではなく、一般化された存在の象徴です。これらの作品は、『さあ、これを描こう』と始めから明確なテーマを持ってというより、人が夢で見るような、人が無意識の中で思い描くようなビジュアルをそのまま絵にして、描いた後に意味づけをしていきます。だから、見る人も固定概念を捨てて、自由に絵を見て、想像してほしいのです」
絵に“パラドクス"が含まれているマーテンセンの作品は、誰もの想像力をかきたてる。日本で初めてとなった個展は、彼独自の世界観が広がる素晴らしいものとなった。