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馬場先通り沿い、右手に三菱一号館を見る。丸の内の歩道は広く、街区が整理されているので切り取られる空も広く感じられる。緑も多く、仕事で訪れる人も、くつろいだ気分になる。
時代を動かす街
丸の内は
三菱一号館から始まる

Photo TONY TANIUCHI Text Izumi Shibata
一流のオフィス街でありながら、ショッピングや観光でも多くの人を集める街、丸の内。整然と区画された街並みは美しく、広い歩道、豊かな緑、点在する歴史的建造物は訪れる者全てを豊かな気分にさせる。十分に練られた都市計画、バランスのとれた多様性を備えたこの街のルーツはどこにあるのか? なぜ、かくも活力に満ちた街をつくることができるのか? 丸の内の歴史を振り返り、この特別な街が生まれた背景を追う。
 日本を代表するオフィス街といえば、東京・丸の内である。100年以上もその国随一のオフィス街として進化し続けているエリアは、世界にもそう多くはない。丸の内はそんな数少ない例の一つで、1894(明治27)年の誕生以来、変化や更新を繰り返しながら発展してきた。
 ビジネス社会の要請に応じて未来を見続ける街、という印象が強いため、あえて丸の内の過去に思いをはせる機会は長らく失われていたといえよう。しかし2009年の三菱一号館復元で、その状況は変わった。現代の目で見ればあまりに低層でこぢんまりとした建築、しかし赤レンガ造り特有の重厚さ、細部までデザインの行き届いた揺るぎない品格を持ち合わせるこの建物は、見る者を100年前へとタイムスリップさせる。と同時に、丸の内の街の草創期に対する興味をかき立てる。
 丸の内は、どのような歴史を背負った街なのか? どのような人たちが基礎をつくり、どんな理想を目指していたのか? 現在も変貌(へんぼう)を続ける丸の内のルーツをたどってみる。
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