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実際、過去に米国が IT バブル崩壊の痛手から立ち直り、本格的な景気回復を後追いする形でFRB が 2004 年 6 月から 06 年 6 月にかけて政策金利を 1.0 から 5.25% にまで大幅に引き上げたときも、NY金価格は基本的に上昇し続けた。そして、ほぼ同時に米国の住宅価格も後にバブルと認知されるほどの値上がりとなったのである。
 よって、本格回復の「前夜」と言える状態のときに少々上値を重くしている住宅や国際商品の価格は、少し長い目で見れば割安の状態にあると言える。そんな安値に放置された状態のときこそ、投資のチャンスであることは言うまでもない。
 例えば、米国の不動産投資信託(リート)を投資対象とする投資信託(「USリート・ファンド」)の類や、より対象地域を世界に広げた「ワールドリート・ファンド」の類、あるいはNY 金をはじめとする主要な国際商品の価格変動に連動するように運用される上場投資信託(ETF)、ひいてはアジアを中心とした新興国を対象とする投資商品などへの投資を検討することは有効であろう。
 ただし、多くの場合において外国為替相場の変動が円建て換算した場合の運用成果に反映される可能性があるため、より慎重に取り組むならば、やはり当面の円相場との兼ね合いも考慮したい。消費増税が実施される 4 月から 6 月あたりまでにかけて、一時的にも日本の成長率が鈍化すると見る市場関係者は多く、その間にいったんはドル / 円や日経平均株価などが一定の調整を余儀なくされる可能性もあろう。もちろん、大きな流れが円安・日本株高であることに変わりはないとすれば、そこはまさにチャンス到来と捉えられよう。
(左)たじま・ともたろう 
金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。www.e-minamiaoyama.com

(右)THIS MONTH RECOMMEND
目指すは“水都・東京”の復活!
2020年の五輪開催までに東京が進めていこうとしているのは、一つにハードとしての「都市の進化」、今一つにソフトとしての「人間らしさの回復」であるという。1964年の東京五輪はハード中心の都市開発ばかりが優先されたが、今回の五輪に向けては、近代化以前の“水都・東京”を取り戻し、情緒と風情にあふれる街を再生したいとの思いが多くの計画に滲んでいる。読み進むほどにワクワクが止まらなくなる一冊と言えよう。(東京都市計画研究会編/かんき出版/1,512円)
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