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金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
本格回復「前夜」の投資戦略
周知のとおり、米連邦準備制度理事会(FRB)は、昨年 12 月の連邦公開市場委員会(FOMC)からスタートしている量的緩和策の段階的な規模縮小を今後も継続するとの姿勢を示している。これは米景気の先行きに自信を深めていることの表れに他ならない。
 とはいえ、段階的な量的緩和の縮小は正常化への第一歩に過ぎないとも言え、米景気が本格的な回復軌道に乗ったと判断されるまでには、まだ相当の時間を要することとなろう。つまり、いまだ米景気は本格回復「前夜」の状態にあると言える。
 この「前夜」の状態にあるときというのは、とかく回復への「期待」ばかりが先行しがちとなり、かなり先回りした格好で将来的な金利上昇への懸念などが市場で材料視されたりする。結果、底値から浮上してきた住宅価格の戻りが鈍くなる、あるいは金利が苦手とされるドル建て金(NY金)価格をはじめ主要な国際商品のドル建て価格が全般に弱含みで推移するなどといった現象が生じやすい。もちろん、商品価格の上値が重ければ、資源国を中心に新興国の株価や通貨などの上値にも重石がのしかかることとなる。
 では、いよいよ米景気が本格的な回復軌道を辿り始める段になった場合はどうか。「前夜」のときに想定したとおり、実際に金利は上昇し始め、当時の懸念は現実のものとなるだろう。しかし、今度は金利が上がるほど本格的な景気回復の実感は強まり、むしろ住宅や金をはじめとする国際商品の需給はどんどん引き締まって行く=価格は上昇傾向を辿ることとなるだろう。
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