
ロンドンの夜には、艶やかなロールス・ロイスがよく似合う。有名な会員制ナイトクラブが点在する地区で、セレブの帰りを待つ。
イーストエンドの東端に築かれたオリンピックパークは、スポーツと文化をテーマに、ロンドンを代表するスマートシティーへと発展している。1㎡が1万ユーロ以上の高級レジデンスがある一方で、低額所得者用の公団も設けられており、住民の共同家庭菜園なども併設されている。国籍や年齢だけでなく、ライフスタイルも多種多様な人々は、ブリックレーンともメイフェアとも異なる、サステイナブルをうたう新しい街とコミュニティーを形成しているようだ。
ポストオリンピックの再開発の成功はもちろん、近年におけるロンドン市政の行政手腕を高く評価されているボリス・ジョンソン市長は「ウエストからイースト。そして、今後はテムズ川対岸のサウスの開発を強化する。一体化した町とコミュニティーを築き、グローバルキャピタルを目指す」と語る。
2000年ほど前、テムズ川に橋を架け、その泥炭地をならして植民地としたローマ軍ピラト総督は、ローマ帝国が滅びた後、ここに世界の首都を目指す都が育つことを、想像したのだろうか。

ニューボンドストリートに本部を構える、サザビーズ。世界最古の国際競売会社だ。ジェームズ・ボンドも任務で競売に参加した映画のシーンも懐かしい。