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「しなのmi」りんご味と新作のいちご味。素朴でありながら、果実の美味しさが最大限に引き出された、子供から大人までに喜ばれる味わい。バター風味のサブレは食感も楽しめる。
温故知新の味
米玉堂食品
Photo Takehiro Hiramatsu(digni) Text Rie Nakajima
創業110年の歴史を持つ老舗ビスケットメーカーと、日本が誇るフランス菓子職人がコラボレートして誕生した「しなのmi」。信州産の果実をふんだんに用い、日仏の技術力を集結させて生み出された、大切な人に贈りたい珠玉のサブレサンドだ。
長野県上伊那郡辰野町。清らかな水と緑に恵まれ、ホタルの里としても知られるこの地で、変わらぬ味を守り続けてきたビスケットメーカーがある。1903年創業、110年の歴史を持つ米玉堂食品だ。大人も子供も、食べるとなぜかほっとする、優しく懐かしい味わい。そんな、オリジナルビスケットの魅力を後世に伝えるため、スタッフ一丸となって誠実に仕事を続けてきた結果、信州随一の焼き菓子メーカーに成長しただけでなく、日本屈指と呼ばれるまでのノウハウを培ってきた。
 この老舗メーカーが立ち上がったのは、「信州を代表する焼き菓子を誕生させよう」という思いからだ。伝統と技術を集結した、社を挙げての取り組みに共鳴したのが、下高井戸のフランス菓子店「ノリエット」のパティシエ、永井紀之氏。世田谷の「オー ボン ヴュー タン」で勤務後、パリを始めヨーロッパの名店で6年間修業を積んだ、日本洋菓子界が誇るパティシエの一人だ。
 こうして昨年、誕生した「しなのmi」は、信濃の実(み)と信濃の味(み)。二つの意味を込めたものだ。フランスの希少な最高級小麦を使ったサブレに、自然の恵みをたっぷりと受けた信州産の果実をふんだんに用いた、信州ならではの新しい味わいを表現。昨年は「りんご味」と、こちらも信州名産の「くるみ味」でスタートしたが、今年はくるみの不作を受けて大好評だったくるみ味の販売時期が遅れている。顧客からは残念がる声も多いが、これも素材へのこだわりを示す証しなのだ。代わりに、10月から新味「いちご味」の販売を開始。長野は知る人ぞ知る、いちごの名産地でもあるのだ。
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