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(左)ズワイガニの漁期は11月から翌3月。近江町市場の象徴的存在だ。
(右)甘エビは、冬の金沢に欠かせない素材の一つ。大ぶりのものがそろう。
 さて、近江町市場といえば鮮魚である。カニや魚を求め県内外からお客がひっきりなしに訪れるが、数ある鮮魚店の中でとりわけ高級品を扱うことで知られているのが忠村水産だ。創業91年、「忠村さんの目利きは信頼できる」と親子2代、3代にわたり忠村水産から鮮魚を仕入れる料亭、割烹(かっぽう)、すし店も多い。まさに、職人を支える職人集団だ。
 忠村水産では、毎朝4時半から金沢駅北西にある金沢市中央卸売市場で買い付けを行う。
 「金沢の市場の特徴は、日本海沿岸各地の最高の魚が集まることです。石川県沖もいい魚場ですが、県外で獲れた魚も多く来ます。金沢だと高く売れるから、と、それぞれの地元よりもいいものがそろうんですよ」
 と、忠村水産小売部の店長の山井三男氏。
 ちなみに市場に訪れた3月は冬の名残と春の走り、両方の魚が獲れる時期。冬の風物詩である立派なカニの他、カサゴ、メバル、ノドグロといった種類豊富な白身魚、春を告げるイイダコや貝類も並ぶ。
 どれもピカピカに輝いて美しく、中には特大サイズのものも。日本海が誇る魚介類の豊かさそのものを見ているようで、カニ好き、白身魚好きが見たら、声をあげて喜びそうな光景だ。
 実に贅沢な「市民の台所」である。
忠村水産の鮮魚売り場の一角。金沢には欠かせないノドグロを始め、高級魚キジハタや、大きなカサゴ、春が旬のサヨリ、マコガレイ、ナメタガレイなど高級魚ばかりが並ぶ。
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