
そんな修業を経て6年前に開いた新ばし 笹田は、元お寿司屋さんの、カウンターのみ7席のこぢんまりした店。夫婦で切り盛りしている。「オープン当初は、宣伝もせずにひっそりと営業していて、お客様がゼロの日もしばしば。運転資金もなく、明日の仕入れにも困るほどでした。それがトラウマになって、今もちょっと暇になるとドキドキする」
しかし、半年もすると、「最初は“コース料理も出す居酒屋"のようだった」店が変貌していく。「片手間でコース料理をつくるのは失礼だし、お客様から『鱧鍋はできる?』といった注文をいただくようにもなり、ご期待に添いたいと少しずつ料理のレベルを上げていった」そうだ。「本当にお客様に育てていただいたと思う」と笹田は振り返る。
「席が埋まるようになって嬉しいのは、強気でいい食材を仕入れられること。『こんな小さな店に、こんなにいい食材が?』と、ギャップに驚いていただきたい一心でがんばっています」――笹田は今、店に客が来てくれること自体が楽しい。いかに体力的にきつくとも、「自分の店」だからこそ、その苦痛を凌駕する喜びとやりがいを感じている。
しかし、半年もすると、「最初は“コース料理も出す居酒屋"のようだった」店が変貌していく。「片手間でコース料理をつくるのは失礼だし、お客様から『鱧鍋はできる?』といった注文をいただくようにもなり、ご期待に添いたいと少しずつ料理のレベルを上げていった」そうだ。「本当にお客様に育てていただいたと思う」と笹田は振り返る。
「席が埋まるようになって嬉しいのは、強気でいい食材を仕入れられること。『こんな小さな店に、こんなにいい食材が?』と、ギャップに驚いていただきたい一心でがんばっています」――笹田は今、店に客が来てくれること自体が楽しい。いかに体力的にきつくとも、「自分の店」だからこそ、その苦痛を凌駕する喜びとやりがいを感じている。