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フランスでカウンタースタイルの“ヌーベル中華”をやってみたい。

MASA’S KITCHEN 47 鯰江真仁

「お寿司屋さんみたいに、カウンターのお客様の目の前に食材を並べて、『これ、食べたいな』とか『軽めがいいんだけど、いいネタある?』といったリクエストに応えて料理をつくる。そんな中華料理屋をやってみたい。これがフランスでできたら最高ですね」
 自分の店をオープンして3年目、鯰江真仁は早くも次の夢に胸を膨らませている。中華の枠に収まり切らない彼の革新的志向、その原風景はどこにあるのだろうか。
「自分では覚えてないけど、小学校の卒業アルバムに『将来の夢は料理人』と書いているんですよ。先日、故郷の岐阜で同級生と集まった時に見せられて驚きました。でも確かに子どもの頃から料理が好きで、インスタントラーメンの汁を飛ばして卵でとじた“和え麺もどき"をつくったりしていましたね。母の実家が定食屋で、そこでもよくバイトをしていました。自然な流れというか、高校時代のバイト先が中華料理屋で、そのまま料理の世界に進んだ感じ。ただ、料理好きといえども、リンゴの皮一つ満足にむけなかったんです。修業は苦しくて辛いこともあったけど、それは当たり前のこと。辛いのは店を持った今だって同じです」
(上)上海蟹と海老の炒め物
蘇州近郊の陽澄湖や無錫太湖が名産地として知られる上海蟹。香り豊かで、ほんのり甘くもったりとした味わいのメスの卵巣が、海老と絶妙のハーモニーを奏でる。「近年、いい上海蟹は日本と香港に集まる」とか。日本で食べる上海蟹のほうが実はずっとうまいのだ。

(下)手羽先とスペアリブの香り揚げ
「基礎を忘れなければ、冒険はOK」と言う鯰江。この一皿は「新しい中華」である。手羽先とスペアリブを海老のお味噌につけて唐揚にしたものに、13種類のスパイスをきかせている。洋風のようでいて、しっかり中華の味わいである。
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