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ハニーゴールドに響く斬新なソヌリ A.LANGE & SÖHNE
デジタル式時刻表示を搭載する初めての機械式時計「ツァイトヴェルク」が登場したのが2009年。その後、毎15分のソヌリ機構を備えたストライキングダム、さらには10進法のミニッツリピーターと、音で時刻を知らせるモデルを発表してきた同シリーズに、10進法を採用したソヌリ「デシマルストライク」が登場。左のハンマーが低音で正時を、右のハンマーが高音で正10分を知らせる。ハンマーに施したトランブラージュ装飾や文字盤のグレナージュなど伝統的な仕上げにもこだわった。さらに、この斬新なソヌリをメゾン独自開発のまろやかな色合いと高い強度を誇るハニーゴールドに収めたことが特別感を高めている。
ツァイトヴェルク・デシマルストライク
手巻き、ケース径44.2㎜、ハニーゴールドケース×アリゲーターストラップ、世界限定100本、13,040,000円(予価)、9月発売予定
●A.ランゲ&ゾーネ
TEL03-4461-8080 www.alange-soehne.com
WPHHに目を転じると、フランク ミュラーは創業25周年を記念するトノウ カーベックスモデルの他、ヴァンガードコレクションもさらに充実させてきた。バックス&ストラウスは、例年発表しているビスポークウオッチ「ロイヤル コレクション」の2017バージョンとして、ミャンマー産ルビー245個をまとったハイジュエリーピースや、バゲットダイヤがまばゆいスケルトントゥールビヨンを発表した。
 独立系ブランドの中で、特に印象に残ったのは、F.P.ジュルヌの「ヴァガボンダージュⅢ」。トノウケースのスペシャルモデル3部作の掉尾(とうび)を飾るこのウォッチは、デジタルジャンピングアワー&セコンド機構で、ジュルヌらしさを見せつけた。
 こうして見ると〝原点回帰〞と言いながら、各ブランドは自身のDNAをクリエーティブに進化させようとしているのが分かる。不特定多数のカスタマーよりも、顔の見える特定の顧客を意識したユニークピースや希少モデルに注力するスタンスも感じられたが、その意味では、富裕層にとっては、魅力的なモデルで目移りすることになるかもしれない。
 最後に残念な訃報(ふほう)をお知らせしなくてはならない。SIHH2日目となる1月17日、A.ランゲ&ゾーネの復興に尽力した、創業者フェルディナント・アドルフ・ランゲのひ孫、ウォルター・ランゲ氏が亡くなった。享年92。3年前、インタビューの機会を得たが、〝ジョーク好きなおじいちゃん〞と言いたくなるようなフレンドリーな対応が筆者の心に残っている。第2次大戦と、その後の冷戦構造に人生を翻弄(ほんろう)されながらも、東西ドイツ統一後に同メゾンの復興を成し遂げた功績を、この場を借りて改めてたたえ、ご冥福をお祈りしたい。そして、その喪失感を乗り越えるような活力を、時計業界が発揮することを、大いに期待したい。
コペルニクスへのオマージュ VACHERON CONSTANTIN
天文学において歴史的革新をもたらしたニコラウス・コペルニクスの宇宙観を、独創的な表示スタイルと芸術的な文字盤の装飾で表現した渾身の一本。存在感を放っているのは、24時間周期で自転しながら太陽を中心に約365日かけて楕円軌道を描く地球だ。太陽系の実際の動きを再現した複雑機構は、8000年で1日分の誤差という驚くべき正確さを誇る。さらにグラン・フーによるエナメル技法を駆使して小さな地球に緻密に描かれた海と大陸にも同メゾンの技量が光る。背景に描かれた細やかな五つの惑星と12星座も相まって、見事な天空図を完成させた。
メティエ・ダール・コペルニク・スフェール・セレスト 2460RT
自動巻き、ケース径43㎜、WGケース×アリゲーターストラップ、時価、ブティック限定、今夏発売予定
●ヴァシュロン・コンスタンタン
0120-63-1755 www.vacheron-constantin.com
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