昨今、円安と株高が非常に連動しやすい状況にあることを考えれば、何より気になるのは今後のドル/円の行方であろう。実際の見通しはどうか、以下に簡単に記しておくこととしたい。
実は、本欄の2013年9月号において筆者は「エリオット波動理論」という相場分析手法を紹介している。同号では、この理論に基づいて2013年5月下旬からの調整局面は「仕上げ段階に入っている」と述べた。結局、この調整局面が終了したのは10月初旬であったと見られ、その後は5波構成の強気相場における「第5波」の局面に入ったと考えられる。つまり、2012年2月からスタートしたと見られる5波構成の強気相場は、もはや「総仕上げ段階に入っている」ということがで
きそうなのだ。
波動理論によれば、5波構成の強気相場が終了した後には3波構成の弱気相場が訪れ、その終了後に再び5波構成の強気相場が訪れるとされる。つまり、そう遠くない将来において一旦は円安・株高の流れがピークアウトし、一時的にも逆の流れが生じるとしているのだ。そのときが、ちょうど消費増税実施前後の時期に重なる可能性は十分にあろう。おそらく、消費増税後に一時的にも日本経済の先行きが少々不安視されるようになることは避けられまい。
結果、実際に日本の景況感が落ち込みはじめれば、やむにやまれず政府・日銀は追加的な刺激策を講じることとなろう。その時点からが、前述した「再び5波構成の強気相場が訪れる」時期ということになるのではないか。なおも、長期的には円安・株高傾向が続くものと思われるが、短期的には「一旦お休み」の時間帯を交えることもあるということを、今から念頭に置いておきたい。
実は、本欄の2013年9月号において筆者は「エリオット波動理論」という相場分析手法を紹介している。同号では、この理論に基づいて2013年5月下旬からの調整局面は「仕上げ段階に入っている」と述べた。結局、この調整局面が終了したのは10月初旬であったと見られ、その後は5波構成の強気相場における「第5波」の局面に入ったと考えられる。つまり、2012年2月からスタートしたと見られる5波構成の強気相場は、もはや「総仕上げ段階に入っている」ということがで
きそうなのだ。
波動理論によれば、5波構成の強気相場が終了した後には3波構成の弱気相場が訪れ、その終了後に再び5波構成の強気相場が訪れるとされる。つまり、そう遠くない将来において一旦は円安・株高の流れがピークアウトし、一時的にも逆の流れが生じるとしているのだ。そのときが、ちょうど消費増税実施前後の時期に重なる可能性は十分にあろう。おそらく、消費増税後に一時的にも日本経済の先行きが少々不安視されるようになることは避けられまい。
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(左)田嶋智太郎(たじま・ともたろう) 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。 http://www.e-minamiaoyama.com/
(右)◆THIS MONTH RECOMMEND
日本の文化的伝統が世界に貢献する?
今、世界中で「新しい資本主義」への転換の必要性が問われ始めている。本書では2人の編者と7人の賢人が其々の専門性や過去の経験などに基づく持論を多様に展開しているが、そこには一つの共通点が見出される。それは「今、世界が希求しているものが実は日本にある」という見解であり、具体的には「日本人にとって懐かしいもの」で「今後は日本が世界に大きな貢献ができる」といった指摘である。元来の日本の良さを再考したい。
『新・資本主義宣言』水野和夫・古川元久編/毎日新聞社/ 1,680円
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