

金融コラム
田嶋智太郎 経済アナリスト
田嶋智太郎 経済アナリスト
いずれは円安・株高も「一旦お休み」!?
11月下旬、ついに日経平均株価は終値ベースの年初来高値を更新し、12月に入ってすぐドル/円は103円台に乗せる動きとなった。執筆時において、市場では「日経平均株価の16,000円台乗せ、ならびにドル/円の年初来高値更新が視野に入ってきた」との見方が強まっており、前回の本欄で想定した通り、5月下旬からの調整局面からはひとまず脱出したと思われる。ただ、いかんせん執筆時における足下の円安・株高ペースは想定以上に速く、これでは早晩息切れしてしまうのではないかと不安もよぎる。
鳴り物入りでスタートした秋の臨時国会もすでに閉幕し、早い段階から「成長戦略実行国会」などと声高に叫んでいたわりには、肝心の“岩盤規制"を一気に突き崩すことはできなかったとの感が残る。年明けから始まる労使交渉の行方はまだ不透明であり、よほど幅広く月例賃金の引き上げが現実のものにならないと、物価が上昇している分だけ「実質賃金」は低下してしまうという恐れもないではない。まして、少なからぬ中小企業では円安に伴う原燃料コストの上昇によって、収益が圧迫されかねない状況となっている。
気の早い向きは、すでに消費増税後に一時的にも景気が落ち込む可能性を気に病みはじめており、昨秋以降続いてきた円安・株高の流れが、どこかで一旦逆流するのではないかとの思いが水面下でくすぶり始めていることも否定はできない。
鳴り物入りでスタートした秋の臨時国会もすでに閉幕し、早い段階から「成長戦略実行国会」などと声高に叫んでいたわりには、肝心の“岩盤規制"を一気に突き崩すことはできなかったとの感が残る。年明けから始まる労使交渉の行方はまだ不透明であり、よほど幅広く月例賃金の引き上げが現実のものにならないと、物価が上昇している分だけ「実質賃金」は低下してしまうという恐れもないではない。まして、少なからぬ中小企業では円安に伴う原燃料コストの上昇によって、収益が圧迫されかねない状況となっている。
気の早い向きは、すでに消費増税後に一時的にも景気が落ち込む可能性を気に病みはじめており、昨秋以降続いてきた円安・株高の流れが、どこかで一旦逆流するのではないかとの思いが水面下でくすぶり始めていることも否定はできない。