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(左)鹿児島のシンボル、霧島錦江湾国立公園の桜島。頻繁に噴火を繰り返すこの雄大な活火山の風景を、薩摩藩主、島津斉彬も眺めていた。
(上右)旧集成館機械工場を公開する尚古集成館本館。斉彬の死後に建設され、島津久光と忠義によって集成館事業が推進された。
(下右)イギリスや中国の文化を取り入れ、斉彬が海外交易品として発展させた薩摩切子。現在も仙巌園内に工房を設けている。
クルーズトレインななつ星の旅 JR 九州
Text Rie Nakajima
JR九州のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」。
豪華寝台列車で九州を周遊するぜいたくなひと時が、歴史と文化、食、そして乗客とのふれあいを楽しむ旅の魅力を創出してくれる。
桜島や阿蘇山に象徴される雄大な自然と、由布院を始め全国的に知られる温泉の数々。おおらかな人情に触れ、個性あふれる各地の郷土料理や豊富な海の幸が味わえる九州は、懐かしいようで、どこか異国のような独自の文化も感じられる。旅の妙味を満喫させてくれる地だ。
 日本の一部でありながら、今も独特の矜持と風情を感じさせるゆえんの一つは、その歴史にあるだろう。徳川時代、江戸や京の人々にとって、九州は地理的にも遠く離れた、未知の国に感じられたに違いない。中でも、一時は九州のほぼ全域を支配下に置いた島津氏が藩主を務めた薩摩藩は、幕府に拮抗する強大な力を備えながら、海と森に遮られてその実態がつかめない脅威の存在として捉えられていた。
 大陸につながる海に面し、台湾近海の島々まで支配を広げた薩摩藩の目は、日本だけでなく広く海外に向けられていたのである。琉球王国を通じて南方貿易で富を成すと同時に、ペリー来航の10年も前からイギリスやフランスの船が来航し、西欧の脅威にさらされていた。そのような環境下で、日本でもいち早く工業化を図り、列強に対抗できる富国策を打ち出したのが、薩摩藩11代藩主・島津斉彬である。
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