世界の贅沢、NILEの贅沢

要塞に囲まれた都市国家は当然ながら天然の海岸線を持たなかった。切り立った砦の麓のビーチは19世紀に小型船舶の係留施設としてつくられたもの。今日では一風変わった海水浴をたのしむ者でにぎわう。

Key Resort of Croatia
Vol.2

Photo Masahiro Goda　Text Shun Kambe

Adriatic Relaxation
いま欧州で一番注目されるリゾート地

「ドゥブロブニクを見ずして楽園を語ることなかれ・・・」劇作家、バーナード・ショウが残した言葉だ。桃源郷・ドゥブロブニクの魅力をこれほど端的に表現した文句はない。もともと欧州きってのハイリゾートだっただけに、内戦後の復興は、旧ユーゴのどこにも増して速やかだった。内戦から15年、いまや欧州で一番注目されるリゾート地といえば間違いなくドゥブロブニク、というほど、この街を取り巻く環境は激変した。
　ユーゴ内戦後、英国やドイツをはじめとする西欧資本の大型投資およびインフラ整備がドゥブロブニク復興の大きな要因になったことは確かだが、それ以上に復興の鍵となったのが、伝統的に文化として定着していた人的インフラー国際観光都市としてのノウハウだ。市中に軒を連ねる大型リゾートホテルのサービスはもとより、西欧スタンダードが幅を利かせるガストロノミーや娯楽といった都市型リゾートの概念が伝統として息づいている例は、旧共産圏では例外中の例外だ。ガストロノミーがその代表格といえるだろう。