
すぐそばには洋館が残された前田侯爵駒場邸跡地の駒場公園もある。
端正な町並みは、複数の分譲地で時を同じくして宅地開発が進められたため、区画割りや道路幅などが統一されていることに由来する。歴史的にも環境的にも、これだけの優れた住宅地であることから、手放したがらない人が多く、そのために新しい土地が出にくいエリアでもあった。加えて2014年10月、渋谷区が町並み保存のため、大山町と松濤の宅地分譲を200㎡以上と定めることが決定した。同様の宅地分譲の規定では田園調布で165㎡、広尾で180㎡、兵庫県の芦屋で170㎡というから、いかに大山町が邸宅地として卓越しているかがうかがえる。事実、現在の大山町の宅地分譲面積は平均して260㎡。この広々とした豪ごう奢しゃな邸宅地が、将来的にも細分化されることなくその価値が保たれる、行政に守られた町となるのだ。