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牡蠣殻の中で発酵を続けるイスラムの文化
ウイグルの町を歩くと、時に目の前の風景が現実のものとは思えないことがある。
 一九五五年に中国に統合され、新疆ウイグル自治区が設置されて以来五十余年、ここでは時間が止まっているのではないかと感じてしまうのだ。
 おしゃれもせず、贅沢な食事もせず、酒も飲まず、仕事に振り回されず・・・・・・
 温かな心を通わせながら、日々の暮らしを楽しむ、その純朴さに心が癒される思いがする。
1. カザフ族の遊牧民がともに暮らす羊の群れ。湖の向こうに山々を望むこの牧歌的風景に身を置くと、掌から砂がこぼれ落ちるように、時間という概念が消えていく。
2. 新疆ウイグル自治区最大のモスク、エイティガール寺院。飾り天井が美しい外の廊下でも、身を清めた人々がメッカに向かって一心に祈りを捧げる。
3. カシュガルは人口の80%を土着のウイグル族など少数民族が占める地域。日干し煉瓦の家並みが続く迷路のような旧市街は、その色と風合いから「牡蠣」に喩えられる。
4. 日干し煉瓦の家の中は、外観とは真逆にカラフルな空間。壁・床の絨毯や彫刻を施した調度品で彩られている。その美に包まれて、農家のお父さんはコーランの文字を追う。
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