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(上)広大な植物園では、亜熱帯の樹木や植物、花々が数百種類も生い茂る。樹齢を経た木が生い茂り密林のような雰囲気に浸れる。
(下)植物園はパペーテから車で小一時間、タヒチ・ヌイ島の東にあるため、訪れる人は多くない。ゆったりと散策できる。毎日9:00 ~ 17:00開園。
TAHITI PEARL ISLANDS Vol.3
Photo Masahiro Goda Text Koko Shinoda
熱帯樹林への憧憬
ハリソン・W・スミス熱帯植物園
南洋の楽園神話がヨーロッパに広まった19世紀、フランスや英国では温室の中に亜熱帯の草木を集めた植物園が人気を呼んだ。亜熱帯地域への海外遠征隊は必ず植物の見本を持ち帰ったという。パリにある「ジャルダン・ドゥ・プラント・デ・パリ(パリ植物園)」の色鮮やかな熱帯の花や艶やかな草木は、パリの文化人の南洋賛歌の場となった。
 南国を一度も訪れることなく、パリ植物園に通って南国樹林を描いた素朴派の画家アンリ・ルソーは「風変わりな植物を見る時、夢の中に入ってゆくような気がする。そして、自分がまったく違った人間になったように感じる」と記している。
 そんなパリ植物園の世界が再現されているのが、タヒチ島にある「ハリソン・W・スミス熱帯植物園」だ。ここは米国の富豪ハリソン・スミスが個人で収集した植物を、1979 年に一般に公開したもの。137 ヘクタールもの広大な敷地には、タヒチに生息するほとんどの植物が集められており、タヒチの濃密な樹林のエッセンスがここに、集約されている。
 植物園の館長ブレンダ・チンフーさんは「タヒチでは、海だけではなく、神秘的な山奥の樹林にも、ぜひ足を運んでほしい」と、タヒチの雄大な自然の魅力を語る。
 実はここに「ポール・ゴーギャン記念館」が隣接する。南洋の自然な生活を渇望し、54歳でタヒチに永眠したゴーギャンの絵画が展示されるほか、生活ぶりが再現されている。
(上)緑の葉と赤い花の鮮やかな色がまぶしい亜熱帯植物。緑が生い茂る樹林の中でも、その鮮やかさに必ず目を奪われる。
(下)ハリソン・W・スミス熱帯植物園とポール・ゴーギャン記念館の両館長を務めるブレンダ・チンフーさん。後ろは園の入り口にあるパンノキ。
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