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成田一世(なりた・かずとし)
フランス料理店「ESqUISSE」シェフ・パティシエ
パリやイタリアのレストランで研究を積み、恵比寿の「シャトーレストラン ジョエル・ロブション」のシェフ・パティシエ、台湾の「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」でエグゼクティブシェフ・パティシエを務めた経歴を持つ。

ESqUISSE(エスキス)
東京都中央区銀座5-4-6
ロイヤルクリスタル銀座9F
TEL03-5537-5580
営業時間12:00 ~ 13:00(L.O.)、
18:00 ~ 20:30(L.O.)
日曜定休
http://www.esquissetokyo.com/
チョコレートへの挑戦
Photo Masahiro Goda Text Rie Nakajima
“甘さ"ではない、チョコレート本来の味を伝えたい―。ジョエル・ロブションの下でもシェフ・パティシエを務めたレストラン「ESqUISSE」の成田一世氏は言う。その真意を、成田氏ならではのチョコレートデザートと共に伺った。

「日本人には、市販のチョコレートは甘すぎると思っています」。エスキスのシェフ・パティシエの成田一世氏は、こう話し始めた。
「ほとんどの日本人には、完熟したフレッシュフルーツと同じ、糖度17縲鰀18度が限界です。それ以上になると、糖度に負けて素材本来の味を探しづらくなってしまう。日本でも数多くのチョコレートが出ていますが、甘さが突出しているがゆえ、チョコレート本来の味を楽しめないのは残念です」
 ライフスタイルや食生活の変化で、今、世界的に甘さに対する許容範囲は狭くなっている。「だから、世界で和食が好まれるのです。でも、チョコレートだけは、日本でも甘いままです」と、成田氏は続ける。「嗜 好品には、人々に受け入れられるまでに経緯があります。でも、日本人は外から入ってくるものに対して許容範囲が広いので、チョコレートについてもヨーロッパの嗜好のまま入ってしまった。その結果、違いは味ではなく、甘さが基準となったのです」
「チョコレートは化学的にとても安定した食材で、柔らかくしたり、つやを出したりといった特定の質感を出すための方法論は、一つか二つしかありません。皆が同じメーカーの製品を買い、同じ製法で作るのですから、味に差が出にくい。だから、パティシエにとって、チョコレートは難しい食材です」
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