


(上)マンダリン オリエンタル パリ(Mandarin Oriental Paris)。(下)ハイ マティック(Hi Matic)。
Hi Matic
ハイ・マティックは、マタリ・クラセットのウッド・モジュール家具と、レゴで造ったかのようなカラフルな建築が個性的なホテル。主に家具およびプロダクトデザインで知られる彼女だけれど、パリでは近代アートシーンでも大きな存在。ハイ・マティックは、絵画やスカルプチャー作品が並んだギャラリーのような空間というわけではないものの、ここで時間を過ごすと、アーティストの思考回路を覗いたかのような気分になるはず。和式布団のようなベッドから、歯ブラシやCDも買える自販機“ブティック"まで、ホテルのすべてがクラセットのアイデア。彼女自身の表現方法は誰のものとも比べられないけれど、ホテル内に置かれたアートやデザインの本に目を向けると、アレッシやマルセル・ワンダースなど、彼女が影響を受けたアーティストのことがわかる。
Mandarin Oriental Paris
アールデコっぽさ満点のパリのマンダリン・オリエンタルは、この街でキャリアを築き、サルバドール・ダリやジャン・コクトー、キキ・デ・モンパルナスとの交友関係でも知られたアメリカ人アーティスト、マン・レイのアンニュイなムードが似合うホテル。館内には彼のアヴァンギャルドな写真が意外な形で取り入れられています。例えばデラックススイートには、拡大してベルベット生地にプリントされたデ・モンパルナスの写真「Black and White(1926)」が壁紙代わりになっていたり、廊下にはセンシュアルなシルエット写真「The Kiss(1932)」が飾られていたり。思い切ってロワイヤル・マンダリンスイートに泊まれば、彼へのさらなるオマージュを目にできます。ベッドカバーにはマン・レイが恋人リー・ミラーを写した写真を基にした刺繍が施されているが、これは超一流刺繍工房メゾン・ルサージュの職人たちが650時間以上をかけて仕上げたのだとか。ルームサービスでワインを頼むなら、赤は避けた方がいいかもしれない。
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