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 一例を挙げれば、ホンカのアイデンティティーとも言える木材は、本国フィンランドでも植林によって生産の維持が図られている。フィンランドではプラスフォレストと呼ばれる、国を挙げた政策によって森林の保護と木材資源の管理が行われてきた。1 本の木の伐採に対して 2 本以上の新たな植樹を義務づける法令だ。ホンカが多用する樹齢 70 年以上の木材は、こうした 100 年規模のサイクルによって供給され、また次世代へと継承されている。材木の生産に要するエネルギーは、同質量の鉄と比してわずか 320 分の 1。1? のログ材生産に費やされるエネルギーはたったの 5790 メガジュールだ。ホンカの徹底した低炭素社会追求は、フィンランド行政の政策とも相まってより高い次元での理想を実現している。
 ヘルシンキの北東 190㎞ に位置するペルトゥンマーでラハデルマ夫妻が経営する国指定のペンションは、ホンカによって施工された。注目すべきはペンションという住居を核にして包括される生活環境設計だ。四方を森林と湖水に囲まれたこのペンションの電気は全て、マーランポと呼ばれる地熱エネルギーによって賄われている。インフラ整備に要す初期投資の回収年月は 10 年から 15 年ほど。この地方で旧来、湖水に排出されていた家庭排水は、ペンション施工と同時に設置された高性能な浄化槽で濾過される。実のところフィンランド国内にあるホンカ工場も、同様の自家発電所によって電気が賄われている。木1本の代採に対して、2 本以上の植樹。製材の行程で出る大量の樹皮や小枝は森林に戻し腐葉土に。木片は自家発電機のタービンを回し、工場のみならず近隣の病院や学校にも送り届けられる。
(上)豊かな自然の中に立つ国指定のペンションはホンカらしい外観が印象的。
(下)自家発電が日常の生活。
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