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鮎と賀茂ナスの豆板魚
鮎と賀茂ナスを四川風の辛いソースで味わう。食欲が落ちる夏には、もってこいのご飯がどんどん進む“おかず”だ。ピリッと辛みが効いたソースと鮎の白身の相性もいい。実に中華らしい“鮎”である。
クールで熱い皿
MASA’S KITCHEN 47 鯰江真仁
鯰江真仁は積極的に「異質」を取り入れながらも、「これぞ中華」の王道を行く料理人である。その鯰江が2年ほど前だったか「近頃は和食の季節感にインスパイアされることが多いですね」と話していた。鮎という初夏を象徴する食材に対して、どんな料理を発想したのか、興味深いところである。
 「いやぁ、鮎はやっぱり塩焼きがおいしい。僕も鮎は大好きで、この季節になるといっぱい食べます。日本料理の店に通っては、一度に軽く5、6匹の塩焼きを平らげてます。そもそも僕は出身が岐阜県だから、周囲は川だらけ。長良川を始め和良川、飛騨川、根尾川……どの川にも鮎がいて、解禁日になると『待ってました』とばかりに大勢の釣り人が集まってくるんですよ。中でもおいしいのは、馬瀬川の鮎かな。おいしい良い鮎って、上流に行かないといないんですよね。もちろん地元の人も普通に鮎釣りを楽しんでます。僕も子どもの頃はよく親に連れて行かれたし、川の瀬に木を打ち並べて取る簗なんかもやったなぁ。あと、キャンプでは必ずみんなで鮎を釣って、河原で串を刺して塩焼きにしてかぶりついてましたよ。それから家では、8月を過ぎたら、卵を持った落ち鮎を甘露煮にしたりね。
 そういう記憶が強烈だから、なおさらその鮎を中華に仕立てるとなると、難しいと身構えてしまう。中華に限らず、和食以外の料理人はみんな、一度は鮎に触りたがるんだけど、結局は『塩焼きが一番だね』ってなっちゃうよね」
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