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六本木散歩
江戸の面影が残る坂道
Photo Masahiro Goda Text Nile’s NILE
 数百本もの坂道が残る東京。下町はもちろん、明治以降の開発で様変わりした山の手まで、坂道だけは変わることなく残っている。
 東京の坂道は、江戸時代からの名前や由緒がはっきりしているものが多いので、その歴史をたどるだけでも面白い。都心のど真ん中に突然、急傾斜や曲がりくねった坂道が現れるなど、普通に歩いているだけで、いろんな坂道に出合えるのも楽しみの一つだろう。
 六本木には歴史ある名坂が数多く集まっている。日本坂道学会副会長を務めるタモリ氏の『新訂版 タモリのTOKYO坂道美学入門』(講談社)では、六本木の坂道として道源寺坂と鳥居坂を取り上げ、周囲の坂道と共に紹介している。鑑賞のポイントは、勾配、湾曲、江戸情緒、由緒の4項目。武士や町人が行き来していた、わずか180年ほど前までの風景に思いを馳せながら、坂道ごとに異なる魅力を追求している。
 超高層ビルの谷間を通る道源寺坂は、六本木一丁目駅のすぐそば。浄土宗道源寺前の狭い坂道で、泉ガーデンを中心に大規模な再開発が行われたエリアに位置するが、周辺には江戸からの坂道も多く残されている。一方で、鳥居坂は六本木の喧騒を忘れさせてくれる優雅なたたずまい。六本木の繁華街と麻布十番をつなぐ急勾配の坂道で、国際文化会館や東洋英和女学院など歴史ある建物が立ち並ぶ。
(左)六本木一丁目駅につながる道源寺坂は大規模な再開発が行われたエリアにおいて、当時の面影を今に伝える。
(右)元禄年間に開かれたとされる鳥居坂は、まさに江戸の難所をしのばせる急勾配。明治時代には華族や貴族が集まるエリアとして知られた。
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