PAGE...1|2
実際、ここ数カ月のドル/円相場はやや方向感に乏しい展開を続けている。ちなみに、現在進行形の5波構成の強気相場は、より長期的な次元で捉えた5波構成の強気相場の「第1波」に過ぎず、いずれ「第5波」の局面が終了しても、より長い目で見た場合の円安・ドル高傾向は続くと見ることができるだろう。
 では、果たしてこの「第4波」の局面はいつまで続くのか。実のところ、過去のドル/円の値動きにはおおよそ45~50週ごとに主要な安値を付けて基調転換する一つのパターン(サイクル)が認められる。今後もこのパターンが繰り返されるならば、昨年9月に主要な安値を付けてから45~50週後に当たる7月下旬~8月下旬あたりに、次の主要な安値を付けるものと考えられ、そろそろ「第4波」の修正波は仕上げ段階に入っていると見ることができる。
 この8月、9月には戦略特区の地域選定や中期財政計画の閣議決定、産業競争力会議の再開など、アベノミクスの進展にとって重要な政治日程が予定されており、市場はそれらを材料視する。安倍政権は市場の反応を無視できず、仮に市場がドル安・円高で反応したならば、直ちに政策方針を修正する必要に迫られよう。よって、近く再びドル高・円安基調は強まることになるものと見られる。
(左)田嶋智太郎(たじま・ともたろう) 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。 http://www.e-minamiaoyama.com/

(右)◆THIS MONTH RECOMMEND
アメリカ経済の成長基盤は失われていない!?
みずほ総合研究所に所属する経験豊富なエコノミスト2人が、アメリカの底力とも言える民間部門の動きについて易しく解説。日本人が期待するアベノミクスの成功と切っても切れない関係にあるアメリカ経済は、果たして信用バブル崩壊による傷から立ち上がり、本格的な成長を遂げるのか。「成長の基盤は実のところ失われていない」とする著者が注目する「アニマル・スピリットの復活」を心待ちにしたい気にさせられる一冊だ。
『やっぱりアメリカ経済を学びなさい』(小野亮・安井明彦著/東洋経済新報社/1,680円)
PAGE...1|2
LINK
STYLE
金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
>>2014.1.14 update
STYLE
金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
>>2015.7.8 update
STYLE
金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
>>2016.7.27 update
STYLE
金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
>>2014.3.10 update
STYLE
金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
>>2016.2.8 update

記事カテゴリー