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Kunstmuseum Winterthur
ヴィンタートゥール美術館

個人資産家の名コレクションが生み出した珠玉の美術館

 ヴィンタートゥールの中に数ある美術館のうち、最も古い歴史を持つ「ヴィンタートゥール美術館」。現在もなお作品を収集し続けている唯一の館でもある。絵画、彫刻、素描、版画の各分野にわたり、バーゼル、チューリヒ、ベルンに次ぐ公共的性格を持つ美術館としてスイスで第4の規模を持つ近代美術のコレクションを擁している。印象派までの作品を収蔵する前出のオスカー・ラインハルトの二つの美術館を加えれば、中世から現代までの美術を漏れなく見ることができる。
 収集が本格化したのは、フランス美術の新傾向への関心が高まってきた20世紀初頭。この時期からラインハルト家、ハーンローザー家、ヴォルファー家など、ヴィンタートゥールの個人コレクションから多くの作品が寄贈および遺贈された。
 また、同美術館の特徴ともいえるのが、美術協会を運営主体とする民営の施設であるということ。公的資金に加え、市民の積極的な参与で成り立っている。
 珠玉の作品群には、ホドラーやパウル・クレーなどのスイス人芸術家作品、モネ、シスレー、ゴッホ、ボナール、ルドン、ピカソ、ブラック、マグリット、モンドリアンなど世界的に有名な巨匠の絵画のほか、ロダン、ブランクーシー、ジャコメッティなどの彫刻作品も充実している。
 フランス印象派からキュービスムまで展示されている荘厳な雰囲気の本館に加え、1995年に名建築家のギゴン&ゴヤーが手掛けたモダンな新館には、クレーやモンドリアン、マグリットなどのモダンアートやブランクーシーやジャコメッティなどの彫刻作品を展示。新旧それぞれの空間、時代を超えて見る名作はまた格別だ。

●Museumstrasse 52
8400 Winterthur
TEL+41 52 267 51 62
http://www.kmw.ch
開館時間/10:00~17:00(火曜20:00まで)
休館日/月曜(臨時休館有り)
1. 1995年に誕生したモダンな新館には現代アーティストの作品を展示。
2. 最も好きな作品の一つだというパウル・クレーの「花ひらいて」の前で館長のディエター・シュワルツさん。
3. 同美術館の代表作の一つ、ヴィンセント・ファン・ゴッホの「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」(中)。
4. アンリ・ルソーの「赤ん坊のお祝い !」。
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