
屏風やテーブル、全て紫舟さんの作品で囲まれたおもてなしの空間であるアトリエの応接室。今回、着用しているシャツは、紫舟さんが金魚の絵を描き、ヴィヴィアン タムとコラボレーションしたもの。
衣装協力/シャツ 28,080円(ヴィヴィアン タム/サンエー・インターナショナル TEL03-6748-0534)、その他私物。
衣装協力/シャツ 28,080円(ヴィヴィアン タム/サンエー・インターナショナル TEL03-6748-0534)、その他私物。
紫舟さんはクールジャパンと書を、また書におけるおもてなし精神をどう捉えているのだろうか。
「クールジャパンと言えば漫画やアニメが注目さていますよね。その中で、源流は江戸初期に活躍した天才絵師・俵屋宗達と、書の天才・本阿弥光悦が共作した『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』にあるのではないか、という話をよくします。この作品では、宗達の描いた鶴の動きをより躍動的
に見せるよう、書がある意味装飾的に書かれています。西洋は文化と美術を独立して捉えますが、日本はその境界線があいまい。だから発想が柔軟で、こういう絵と書を融合させた、漫画にも通じる文化が生まれやすい環境がある。そう言うと、世界にも理解してもらいやすいんです。
あと、おもてなし精神は、例えば良寛が世話になった農村で書いたとされる『一二三』『いろは』という書に表れています。良寛は禅語のような難しい書も書けますが、字の読めない人たちにも自分の感謝の気持ちを伝えたいと、この易しい字を選び、心を込めて書いたのでしょう」
もちろん、紫舟さん自身も書におもてなし精神を込めている。その一つが、海外に日本文化を発信するために創作されるメディアアートだ。
「例えば『まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり』は、書をベースに、日本特有の自然観や文化とテクノロジーを融合させた、チームラボとコラボレーションしたアート。鑑賞者が象形文字に触れると、その文字が持つ世界が現れ、物語を作ります。日本の文字を知らない世界の人や子供たちにも『文字の意思』を伝えたい。そして日本と日本の文字に関心を持ってもらえたらと、言語の限界をアートで乗り越える試みを続けています」――紫舟さんの一表現者としてのおもてなしは、「伝える」ことなのである。
「クールジャパンと言えば漫画やアニメが注目さていますよね。その中で、源流は江戸初期に活躍した天才絵師・俵屋宗達と、書の天才・本阿弥光悦が共作した『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』にあるのではないか、という話をよくします。この作品では、宗達の描いた鶴の動きをより躍動的
に見せるよう、書がある意味装飾的に書かれています。西洋は文化と美術を独立して捉えますが、日本はその境界線があいまい。だから発想が柔軟で、こういう絵と書を融合させた、漫画にも通じる文化が生まれやすい環境がある。そう言うと、世界にも理解してもらいやすいんです。
あと、おもてなし精神は、例えば良寛が世話になった農村で書いたとされる『一二三』『いろは』という書に表れています。良寛は禅語のような難しい書も書けますが、字の読めない人たちにも自分の感謝の気持ちを伝えたいと、この易しい字を選び、心を込めて書いたのでしょう」
もちろん、紫舟さん自身も書におもてなし精神を込めている。その一つが、海外に日本文化を発信するために創作されるメディアアートだ。
「例えば『まだ かみさまが いたるところにいたころの ものがたり』は、書をベースに、日本特有の自然観や文化とテクノロジーを融合させた、チームラボとコラボレーションしたアート。鑑賞者が象形文字に触れると、その文字が持つ世界が現れ、物語を作ります。日本の文字を知らない世界の人や子供たちにも『文字の意思』を伝えたい。そして日本と日本の文字に関心を持ってもらえたらと、言語の限界をアートで乗り越える試みを続けています」――紫舟さんの一表現者としてのおもてなしは、「伝える」ことなのである。