
函館•青春の遺伝子 vol.1
Photo Masahiro Goda Text Junko Chiba
はるかな はるかな見知らぬ国へ
ひとりでゆく時は船の旅がいい
(『つめたい部屋の世界地図』 井上陽水)
今では表現行為の一部にしか存在しない「青春」が、かつては至る所にあった。
映画館、港、都会の路上、喫茶店、学校、駅前、歌謡曲、ディスコ、
そして詩にも文学にも映画にも「青春」はあふれ返り、
絶望や挫折や苦悩や矛盾が「青春」の主題を作り出していた。
明治維新から始まった日本の近代がその余熱とともに「青春」を生みだし、
函館などの近代が作り出した港町が「青春」を燃焼させ、都会にエネルギーを送り出してきた。
しかしいつの頃からか、「青春」が都市から消えた。
だが、幾多の「青春」の物語を語り継いできた函館に、
今なお「青春」の遺伝子が残っていることを見つけることができる。
船で函館港に入る時、函館の街に「青春の残熱」が立ち登ってゆくのが見える。
ひとりでゆく時は船の旅がいい
(『つめたい部屋の世界地図』 井上陽水)
今では表現行為の一部にしか存在しない「青春」が、かつては至る所にあった。
映画館、港、都会の路上、喫茶店、学校、駅前、歌謡曲、ディスコ、
そして詩にも文学にも映画にも「青春」はあふれ返り、
絶望や挫折や苦悩や矛盾が「青春」の主題を作り出していた。
明治維新から始まった日本の近代がその余熱とともに「青春」を生みだし、
函館などの近代が作り出した港町が「青春」を燃焼させ、都会にエネルギーを送り出してきた。
しかしいつの頃からか、「青春」が都市から消えた。
だが、幾多の「青春」の物語を語り継いできた函館に、
今なお「青春」の遺伝子が残っていることを見つけることができる。
船で函館港に入る時、函館の街に「青春の残熱」が立ち登ってゆくのが見える。

旧函館区公会堂のバルコニーから函館港を望む。開港以来、多くの若者の夢を受け入れてきた海は、「青春色」とも称すべきブルーの水をたたえている。