

14世紀から20世紀のフランドル画家を中心に、幅広く膨大なコレクションを誇るアントワープ王立美術館。初期フランドル派の巨匠で油彩技法の大成者ヤン・ファン・エイクをはじめ、ブリューゲル、ジャン・フーケといった古典絵画から、ポール・デルヴォー、ルネ・マグリットに至る近代絵画まで、名だたる巨匠の作品が一堂に会す。中でも、アントワープの顔ともいえるルーベンスの大型作品である祭壇画は圧巻。
アントワープ王立美術館 Leopold de Waelplaats B-2000 TEL+32(0)3 238 78 09
アントワープ王立美術館 Leopold de Waelplaats B-2000 TEL+32(0)3 238 78 09
モデルの人生といい表現といい、なんとスキャンダラスな画題であろうか。ハンザ貿易、十字軍遠征による遠隔貿易によって、アントワープが当時、世界一の港にのぼりつめたのも同時期。ドイツ封領国家群、ハプスブルク家、ブルボン朝、と周囲の列強の狭間で弄ばれながらも、名ではなく実を取るしたたかさ。それこそがこの一枚のタブロゥに込められたアントワープのメッセージと解釈するのが妥当だろう。
