PAGE...1|2|3
(上)17世紀の農家と、光と風を取り入れたピエール・ストュベールのデザインによる建物を組み合わせたラ・ショー・ド・フォンのアトリエ。
(下・左)広い廊下を中心に、部品や組み立てなどのアトリエが独立して立ち並ぶ。
(下・中左)グルーベル フォルセイ設立時の2004年から活躍するフレデリック・ルフェナ(右)。製造責任者としても重要な役割を果たす。
(下・中右)直径1㎜にも満たない微小の部品を、メタルバーから製作。メタルが熱を帯びないよう、油を流しながら製作する。
(下・右)自然光がたっぷり入る広々としたアトリエでは、時計師たちが理想の時計作りに没頭する。
アトリエ内は、設計、メタルプラックからの部品製作、メタルバーからの精密部品製作、研磨、組み立て、コントロールなど、さまざまなセクションに分かれており、その精度は誤差2μ以下と通常の時計メーカーの10倍以上と言われている。いずれも大きなガラス窓越しに、スイスの美しい山を眺められる空間で作業が行われ、究極の技術が追求・実現されている。設立当時は部品を外部オーダーすることもあったが、理想とする作品を実現するため、すぐに、ごく微小なねじ一本に至るまで自社製造に切り替えた。
 部品に対するマニアックなまでの精度追求、それを受けて一つひとつ手で磨き上げられる繊細な研磨、一次組み立てを経ての解体、微調整、本組み立て、そして幾度にもわたる厳格な検査。一つの作品を作り上げるのに必要なパーツは、400~800。それらが絡み合って崇高な機械式時計の理想を現実にしているのだ。手に取った人が感じるのは、至高の技術に宿った美しさ。そう、グルーベル フォルセイの魅力は、その価値をよりいっそう高めるアーティスティックなところにもある。
 そんなアートへの情熱は、全てのモデルの細部に宿る一方で、超ミニチュアアートをケースに閉じ込めてベゼルに組み込み、リューズのルーペから23倍に拡大されたオリジナルオブジェを見ることのできる「アートピース1」で昇華されている。今でこそスタッフ115名で年間100本ほどの製作が可能になったが、2004年の創業当時は10名で16本を製作するのみだった。常にバックオーダーを抱えているが、理想のクオリティーを保つため、生産数を現在より増やす考えはない。
 いまだに、世界中に存在するグルーベル フォルセイの時計は1000本にも満たない。希少価値の高い、幻の超高性能機械式時計なのである。それを手にリューズを巻くとき、高揚感と喜びのエモーションに包まれる。

●ヴィタエルーキス TEL03-6421-7533 
PAGE...1|2|3
LINK
STYLE
グルーベル フォルセイの新作時計観賞会にナイルスナイル会員を限定ご招待
>>2016.7.13 update
STYLE
BASELWORLD2015 I
>>2015.6.19 update
STYLE
インディペンデントから躍進したクロノスイス
>>2009.1.9 update
STYLE
変化の時、あるいは DNAの再認識 SIHH2017
>>2017.4.7 update
STYLE
妥協なき時計製作が語りかけるもの
>>2015.8.28 update

記事カテゴリー