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アムンディ・ジャパンによれば、成長戦略の目玉は一つに「労働力の増加」であり、恩恵を受ける業種・市場としては子育て支援事業や宅配・内食、介護サービス、人材派遣業、宅職・セキュリティー、フィットネスクラブなどが挙げられる。いま一つは「市場の自由度・魅力度の向上」であり、恩恵を受けるのはネット証券やベンチャーキャピタル、医療・農業サービスなど。加えて「イノベーション(革新)を通じた生産性向上」も目玉の一つであるとして、電子書籍やオンラインゲーム、観光・旅行、スマートグリッド、クリーンエネルギー、クラウド・コンピューティング、アニメ、ファッションなども注目できるとしている。
 投資候補銘柄として挙げられているのは、例えば料理レシピ専門サイト最大手のクックパッド(銘柄コード2193)であり、その理由として「女性の社会進出が増えることにより、限られた時間で効率よく楽しく料理できるサイトの利用が増える」としている。なるほど、これも目の付けどころの一つであろう。また、ホームセンター大手のコメリ(銘柄コード8218)は「価格競争力が高い農業資材を最寄りの店舗及びネットで幅広く販売する仕組みを確立していること」で今後のシェア拡大が期待できるという。
 広く市場を見渡すと、すでに大手建設・ゼネコンやリース、人材活用、バイオなどといった関連銘柄に先回りした投資家の買いの手が広がっている状況も見受けられる。結果、参院選後に株式投資へイザ参戦という段になったときには、もはや「手アカがついた」銘柄と見なされて上値が重くなるものもあろう。政策の恩恵が回り回って最終的にはどこへもたらされるのか、大いに想像力を働かせることも必要と言えるだろう。
(左)
たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。 www.e-minamiaoyama.com

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『「これからの世界」で働く君たちへ』(山元賢治著/ダイヤモンド社/ 1,575円)
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