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シリーズ1
レッセンスの記念碑的なデビュー作。リュウズだけで13の部品から構成されており、時刻合わせはリュウズトップのバーを起こして行う。ループ状のラグはケースと別パーツであるため、ストラップの取り外しには専用工具が必要。自動巻き、ケース径44㎜、SSケース×クロコダイルストラップ、1,728,000円。
時計の“目利き”を刺激する
レッセンス
Photo Takehiro Hiramatsu(digni) Text Yasushi Matsuami
ルネッサンスとエッセンスとを組み合わせた造語をブランド名とするレッセンスのタイムピースが、今、時計愛好家から熱い視線を浴びている。いまだかつてない斬新な機構、個性的なルックスの秘密に迫る。
オーセンティックなブランドのハイエンドモデルから、レアなビンテージウオッチまで、腕時計を極めた人ほど、未知なる新興ブランドの斬新な魅力に引かれるものだ。そんな“目利き"に、レッセンスのモデルは強烈にアピールするに違いない。
 2009年にベルギー出身のプロダクトデザイナー、ベノワ・ミンティエンスによって設立されたレッセンス。翌2010年、世界のウオッチトレンドを動かす一大エキシビション、バーゼルワールドでデビューするや、いまだかつてない独創的な機構でセンセーションを巻き起こした。まずはファーストモデルの「シリーズ1」を見てみよう。
 一見すると、時針、分針、秒針が独立したレギュレータータイプの時計のようだが、そうではない。分針を配した大型ディスクが1時間で1回転するのと同時に、サテライトダイヤルと名付けられた時、秒、AM/PM表示のディスクも時々刻々位置を変えていく。つまり、各ディスクが自転しながら公転する惑星のような動きを見せるのだ。しかも各サテライトダイヤル外周のインデックスを刻んだリングは、常に正位置をキープし、時刻を読み取りやすくしている。ここには、針を配したディスクと同じスピードで、外周リングが逆方向に回転するメカニズムが導入されている。実に複雑なギアシステムが秘められているのが、分かるだろうか。
 そのルックスも個性的だ。段差のないフラットな文字盤が、時刻を見るたびにレイアウトを変えている。ブランド名を仰々しく表示することなく、ディスクの12時位置に、ヒューマニズムを象徴し、レッセンス誕生の地アントワープのシンボルでもある、手のひらを模したロゴマークが、さりげなくあしらわれているのも心憎い。
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