








1~8 コハラコーストの昔ながらの集落。素朴な風情だが貧しさは感じさせず、どこか温かみが。人影が少ない中、カパアウのカメハメハ大王の像は人目を引く。
9 ポロル渓谷のそばに、ひっそりと存在していた日系人の墓地。本願寺の信者が多かったという。1990年代の墓が最後のもののようであった。
9 ポロル渓谷のそばに、ひっそりと存在していた日系人の墓地。本願寺の信者が多かったという。1990年代の墓が最後のもののようであった。
レストランの隅に古い写真が飾られていた。ピクチャーブライド、写真だけのお見合いでハワイに来た日本人花嫁、十数人。律儀に暑苦しい紋付きを着込んでいる。笑顔らしきは一人きり、暗く苦い表情が彼女らの心情を物語る。
隣村カパアウも人口1100人のうち、3割が日系アジア人だ。市役所には、おびただしい数の日系兵士の殉職一覧が掲げられていた。日系陸軍第100大隊、アメリカへの忠
誠を証明するために死闘にも怯むことなく挑んだという。
カパアウには、ハワイ繁栄へ右手をかざした、カメハメハ大王の像が立つ。太平洋のナポレオンとも称された手腕、2メートルの偉丈夫であったとされるカメハメハ大王。この像はカメハメハ大王に憧れた、カラカウア王がパリで作らせたもの。一度海で遭難した像が自ら歩いて来た、という伝説がハワイらしい。
海辺に下りていくと、日系らしき初老の男性がサーフィンをしていた。「引退してからも週2、3回はやるようにしている。サーフィンの楽しさ? 一度波に乗ったら分かるよ」と笑顔で言うが、祖父の出身地がフクシマだと語った時に寂しげな表情を見せた。「今はここで妻とのんびり。暮らしやすいね、楽園に近いかな……」
国の運命も人の運命も数奇なもの。2061年、次のハレー彗星は、どんな楽園を見るのだろうか。
隣村カパアウも人口1100人のうち、3割が日系アジア人だ。市役所には、おびただしい数の日系兵士の殉職一覧が掲げられていた。日系陸軍第100大隊、アメリカへの忠
誠を証明するために死闘にも怯むことなく挑んだという。
カパアウには、ハワイ繁栄へ右手をかざした、カメハメハ大王の像が立つ。太平洋のナポレオンとも称された手腕、2メートルの偉丈夫であったとされるカメハメハ大王。この像はカメハメハ大王に憧れた、カラカウア王がパリで作らせたもの。一度海で遭難した像が自ら歩いて来た、という伝説がハワイらしい。
海辺に下りていくと、日系らしき初老の男性がサーフィンをしていた。「引退してからも週2、3回はやるようにしている。サーフィンの楽しさ? 一度波に乗ったら分かるよ」と笑顔で言うが、祖父の出身地がフクシマだと語った時に寂しげな表情を見せた。「今はここで妻とのんびり。暮らしやすいね、楽園に近いかな……」
国の運命も人の運命も数奇なもの。2061年、次のハレー彗星は、どんな楽園を見るのだろうか。