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ハワイを統一したカメハメハ大王が生まれた1758年11月、巨大な星が出現した。おそらくハレー彗星(すいせい)だと思われるが、ハワイ島の首長であった父親はそれを見て、息子はやがてハワイ全諸島を治めるだろうと予言したという。
 地球から400光年の距離にある昴だが、ハレー彗星の周期は約76年と人の寿命とほぼ同じ。ハワイ王国は成ったものの、ハレー彗星の2度目の周期を待たずにして、アメリカに併合されてしまう。ハワイ最後の王カラカウアは、ポリネシア帝国という壮大な夢を見ながら、失意のうちアルコールにおぼれた。
 ハワイ語で「寂しい」という意味を持つ、カメハメハという命名は、王国の行方をも予見したものだったのか……。カメハメハ大王はハワイ島の最北端ノースコハラ、コハラ山脈が半島のように突き出た、海辺のカパアウに生まれる。美しい夕日が水平線に沈む西岸コナに王宮を築くが、18世紀末にオアフ島に侵攻し、ハワイ統一を成した時点で、外国人の来訪により栄えていたホノルルに移された。
 こうして近代化に向かったホノルルだが、カメハメハ大王は生まれ故郷であるハワイ島をこよなく愛した。それはハワイ島南東にあるキラウエア火山をつかさどる女神、ペレに命を助けられたからだとも言われている。彗星と共に生まれ、多くの偉業を成し遂げた大王。永眠した日は海が赤い魚の群れで深紅に染まったという。
1 カメハメハ大王の生誕地に近い、ノースコハラ東岸、ポロル渓谷。北西にマウイ島が浮かぶ。
2 ポロル渓谷に隠された小さな入り江。人影は少なく、夕暮れ時には「寂しい」が、心休まる静かな海辺だ。
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