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1 マウナケアの山腹は荒々しい風光だ。どこか月面にいるような印象を与える。空気が薄いため緩慢な行動に。
2 現在、この天文学管轄区には世界10カ国による12基の望遠鏡施設が集まっている。多くの作業はヒロの町の研究所でリモートコントロールされている。
3 左端が日本の国立天文台による「すばる」。1999年に開設、光学赤外線望遠鏡は日本の天文学界に寄与している。
ハワイ島へ 400光年の旅から
Photo TONY TANIUCHI Text Koko Shinoda
昴に導かれてはるか彼方からハワイ島へ。ハレー彗星と共に生まれたカメハメハ大王の王国は、多くの日系人を迎え数奇な運命をたどりながら、現代の楽園となった。
最初にハワイ島に住んだのは、ハワイロアという漁師だと伝えられている。牡牛座の一等星を追った星の航海士、マカリイに導かれての長い航海の末だった。ハワイロアは無
人の楽園であったハワイ島を気に入り、一族と共にここで暮らした。
 ハワイの名前はハワイロア(大ハワイ)に由来し、オアフ、マウイ、カウアイといった島名にはハワイロアの子供たちの名前が付けられた。一方、航海士のマカリイは、日本では昴と呼ばれている、牡牛座にあるプレアデス星団のハワイ語となる。
 昴は地球から400光年の彼方。天空を身近に感じられるのが、マウナケア山だ。ハワイ島中央にそびえるポリネシア最高峰で、雪の女王が住むという神話がある。女王を祭る
山頂から少し下った地点に、世界各地の天文台が点在する。
 マウナケア山は、4200メートルという標高、澄んだ空気、太平洋上に隔離されたロケーションが、天体観測に適しており、日本の「すばる」望遠鏡も設置されている。天文台の内部見学はできないが、ここから1000メートルほど下った場所にビジターセンターがある。
 屋外にさまざまな望遠鏡があるが、肉眼でもプラネタリウムのような星空を望める。肉眼では5個から7個の星しか見えないとされるプレアデス星団も、8個を数えられた。ハワイではマカリイのような星の航海士を「星を読む人」と言ったそうだ。こうして星を眺めるのは、数百年前の古書を読んでいるということか……。
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