
(左)漁業の町ワリディアではボートを目にしない日はない。(右2つ)カキの養殖所にて。
モロッコ・ワリディアの牡蠣と海の幸
向かった先はカキ生産地として知られる穏やかな海辺の町、ワリディア。目的地まで道程はまだ少しあるけれど、タクシーの窓を開けて海岸線沿いを走っていると、車の中に吹き込む大西洋の潮風に、心がどんどんと浄化されていくような気がする。白いカサブランカ、青いエッサウィラのちょうど中間点にあるワリディアは、特に代表的な色はないけれど、代わりに多種多様な色彩とフレーバーと香りが混在する場所だ。目抜き通りのカフェで一服しながら、沖に出る若い漁師や、家事に勤しむジェラバ姿の女性たち、ひっきりなしに目の前を通り過ぎて行くモペットなどを眺めていると、じんわりと、体もこの町のゆったりとしたテンポに溶け込んでゆく。