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5年後に世界のリーダーになる
日本経済
アベノクス効果かどうかはさておき、この2年で大筋、私が“日本的なるもの"と呼んでいる日本円、日本株、日本の不動産、日本の債券が国内外で買われ、世界のマネーが日本に集中する。国際的資金循環の中心に日本が据えられる。
 ただ、そう手放しで喜んでもいられない。問題は、個人が儲かっても、国としての税収は増えないことだ。日本では産業が税収を増やしてきた。技術のイノベーションが活発に行われることが大前提だ。ところが日本人は、追い詰められないと新しいものを受け入れない。だからこのままいくと、イノベーションは日本で進まない。実際、成長戦略といっても医療や介護の話ばかりがされている。日本が勝ち組になるには、資源関連で新しい技術が出てこなければダメなのに、である。今のところ、皆がその方面の技術を互いにつぶし合ってしまっている。
 だから、このままいくと資産バブルを越えて、ものすごいインフレ懸念が高まる。それが2016年後半以降。多くの人が「これはまずい」と思い、預金の引出に走るなど騒動に発展する恐れもある。へたをすると、またデフレに転落する。そうなった時、果たして日本は耐えられるのか。
 そこで重要になってくるのが、例えば「100万円を3人から取って300万円」ではなく「3円を100万人から取って300万円」というような、これまでとは全く違う新たなデフレ対応のビジネスモデルに転じること。また、今後益々海外からやって来る人々とビジネスを立ち上げるなど、国内を舞台にした本当の意味での国際化を図ることもポイントとなる。さらには、富裕層が富を社会に還元しながら総じて運用していく形で、富を「守る」のでなく「保つ」ことへの転換を図るべきだ。日本人がそのくらい覚醒すれば、5年後に世界経済のリーダーになるのも夢ではない。
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